🎬『薬の神じゃない!』ウェン・ムーイエ監督、脚本/中国/117分
上海で回春の薬を売る店主チョン・ヨン(シュー・ジェン)は店の家賃さえ払えない状態で妻からも見放されていた。
そんなある日、「血液のがん」である慢性の骨髄性白血病患者リュ・ショウイー(ワン・チュエンジュン)が店にきて、国内で売っている治療薬は非常に高く、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入してくれないと依頼して来た。
初めは断ったもののお金に困っていたチョンは、ジェネリック薬の密輸と販売に踏み切った。儲けは多くなって秘密裏ながら需要が増えたので購入グループを結成した。
最初に頼んできたリュ、白血病の娘を持つダンサーのリウ・スーフェイ(タン・ジュオ)リウ牧師(ヤン・シンミン)、力仕事が得意な不良少年のボン・ハオ(チャン・ユー)が加わり大きく拡大していくが……。
週に2日続けてマッサージに通っている(続けてやるのがミッキーの流儀)。そのマッサージ店で中国出身の先生がおられて吸い玉や針をしている方が、この『薬の神じゃない!』を知っていて去年里帰りした時に話題になっていたと教えてくれた。ご自身は観ていないらしい。いただいた資料には500億円の大ヒットと書いてあるが、映画に興味のない人も知っていたから納得できた。
これを観て2014年に公開されたマシュー・マコノヒー主演の映画『ダラス・バイヤーズクラブ』を思い出した。マコノヒーが体重を20キロ落としてエイズ患者を演じ、第86回アカデミー賞で主演男優賞を受賞したことで有名な映画。エイズも白血病も薬が命。今はわからないが、当時は金の切れ目が命の切れ目と言われていた。
困っている人の中で、噂が噂を呼んで隠しきれなくなって、しまいには当局に目をつけられてしまう。が、そこでチョンの取った行動は……男気のあるチョンの活躍が眩しい実話物だ。