2020年04月07日

『人間の時間』名古屋今池シネマテークにて

🎬『人間の時間』キム・ギドク監督/韓国/122分

かつては軍艦だったが今はクルーズ船になっている船での出来事。乗客は、新婚旅行の日本人若夫婦(オダギリジョー&藤井美菜)、国会議員で次期大統領と言われている男とその息子(イ・ソンジュ&チャン・グンソク)、いつも船の片隅でゴミ拾いや泥を集めている老人(アン・ソンギ)、国会議員に取り入るヤクザ、船の乗務員、その他乗客数十人。

出航してしばらくすると、国会議員たちと一般乗客は、部屋も食事も雲泥の差とわかり、新婚旅行の夫(オダギリジョー)が平等にしてくれと詰め寄った。それがきっかけとなって船には不穏な空気が充満して……。

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『魚と寝る女』『受取人不明』『悪い男』『春夏秋冬そして春』『サマリア』『うつせみ』『絶対の愛』『嘆きのピエタ』……キム・ギドク作品の一つひとつに忘れられない場面がある。世界的に有名な鬼才で、日本にもギドクファンがたくさんいる。

この新作は2019年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映されたブラック・ファンタジー映画。

オダギリジョーさん、チャン・グンソク、韓国俳優の重鎮アン・ソンギたちの顔ぶれを見てどんな作品だろうかと思ったが、オダギリジョーさんはすぐにスクリーンからいなくなり、アン・ソンギさんは一言も喋らず、国会議員の息子チャン・グンソクさんは親の権力志向に反抗しているが、日本人若夫婦の奥さんに横恋慕。

限られた船の中で人間の私利私欲まみれの世界が広がっていく。そして、海を航海しているはずの船がいつのまにか、ポッカリと大空に浮かんでしまうのだ。

この展開に息をのんだ。そして終盤に、やはりギドク監督は鬼才であると確信した。

★この劇場も観客は15名ほど。館主さんには悪いがちょうどいい人間間隔だった。
posted by ミッキー at 19:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする