🎬『死霊の盆踊り』A・C・スティーブン監督/アメリカ/1965年/HDリマスター版
ホラー作家の男が美しい恋人を連れてドライブ。「今日のデートは墓場。僕はそこに行ったらイメージがわいていい作品が書ける」と言ってきみ悪がる彼女を乗せてとある墓場に向かおうとするが途中で事故にあって、気を失ってしまう。そこは満月の晩だけ死んだ者が生き返り明け方まで踊り狂う、まさに墓場だった。
題名にそそられて観たが美女たちがおっぱいぶるんぶるんだけ得意で、身体をくねらせて下手な踊りを踊っているだけ……昔のストリップ劇場(行ったことないけど)よりひどい。
単純な作りで居眠り。覚めてもまだ同じことやっていた。観客はほぼ男性ばかり。
★原作がエド・ウッド。原題のOrgy of the Dead)は「死者たちの乱交」だが乱はあっても「交」はなし。
🎬『音楽』岩井澤健治監督、脚本/71分
田舎の高校に通う不良少年3人はいつも立ち入り禁止の張り紙のある空き教室で彼らだけの部屋にしけこんでいる。他校の不良らとの喧嘩がエネルギーの捌け口にしている。そんな彼らが何をきっかけかバンドをやろうと高校の音楽室からドラムやベースを盗み出して自宅に運ぶ。
スコーレは後ろの補助椅子も出すほどの人出。原作者の大橋裕之氏が愛知県出身だからだろうか。
満員の原因はわかった!独特のキャラクター、単純な作りで動きの少ない絵柄だが個性豊かなアニメだった。題名の音楽だってただドラムをたたく、ギターのかき鳴らす1コードだけ。それを大音響でドンドンドンドンやるだけ。それでも何かしら伝わってくるから不思議だ。
スコーレでは珍しい1ヶ月以上のロング上映。
🎬『普通は走り出す』『八月の軽い豚』渡辺紘文監督
渡辺監督作品が名古屋初のお披露目をスコーレで上映。監督さんはお見えにならなかったが、ミッキーの観ていない『普通は走り出す』『八月の軽い豚』の2本をみた。観客は20名前後。
『八月〜』は監督が大学を卒業してから日本映画学校の卒業製作作品(2007)。
この作品が今の渡辺監督の出発点だが、今とは違うエネルギー溢れていて、若き時代の圧倒的な構築する力量を感じた。たった約40分に収まった映像に豚飼育、農業専従の青年2人が抱え込む苦悩が描かれていた。この作品から弟さんの渡辺雄司(武蔵野音楽大学卒、現在ピアノ教師)が音楽を担当している。
『普通は走り出す』(2018)は今の監督を語るに上で一番の佳品。監督さんの愚痴に「映画評論家がだいっきらい!」と何回も言われて、そのハシクレでもないミッキーの身が縮みあがった。