2020年01月24日

1月24日公開映画(1)『風の電話』『ロマンスドール』

🎬『風の電話』諏訪敦彦監督/139分

東日本大震災で家族を失い、広島の叔母(渡辺真起子)のもとで暮らす17歳の少女ハル(モトーラ世理奈)は、叔母が突然倒れたことで、自分の周りの人が誰もいなくなってしまうという不安が大きくなって、叔母の入院している病院から震災以来一度も帰っていなかった故郷・大槌町に足が向いてしまった。

途中、豪雨被害にあった広島で年老いた母と暮らす公平(三浦友和)や、福島の元原発作業員・森尾(西島秀俊)に不良に絡まれていたところを助けられて……。

死んでしまった人と思いを繋ぐ電話として、岩手県大槌町に実在する「風の電話」をモチーフに映画化した作品。

正直に言うと諏訪敦彦監督作品でお気に入りはない。この作品は観てるうちはそう感じなかった不具合(世間的に言って)が後で気になった点があった。

三浦友和は帰りの広島行きの電車まで送っている。でも乗るところまではみていない。西島秀俊は自宅まで連れて行ってる。まあそこで西田敏行お爺との会話はこの映画の一番いいところなんだが、ミッキーなら少女の叔母や叔母が無理でも病院を調べて連絡する。セリフの中に「きっと身内の誰かが心配しているはずだから、調べて病院に連絡したよ」のちょこっとでいいから付け加えるべきだ。

ピュアな演技者・モトーラ世理奈さんは不思議な雰囲気で好感が持てる。これ以外に『恋恋豆花』『MEMORIES』と主演映画が公開される。

★『風の電話』で一つ気になったのがくつ下を脱ぐシーン。普通の女子高生はしない「モデルさんだったからできる」やり方で脱いでいた。素晴らしく手際よく素早く、二つを一つにしてまとめていた。これは監督さんの演出不足だろう。


🎬『ロマンスドール』タナダユキ監督/123分

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美大卒業後、ひょんなことからラブドール製作工場で働き始めた北村哲雄(高橋一生)は、本物のおっぱいの感触がわからず悩んでいた。会社も技術開発のためにおっぱいの手触りとかリアルさを売りにしたいと思っていて、女性経験のない北村と師匠である相川(きたろう)と協力して「医療のため」と偽って広告を出した。そこに美術モデルの園子(蒼井優)が応募してきて……。

『百万円と苦虫女』のタナダユキ監督が初のオリジナル小説を自ら監督・脚本を手がけて実写映画化。

静かな映画だがいつまでも深く心に残る映像や台詞があった。それらは観た方1人ひとり違うと思う。ラブドールの本物の手触りと、本当の手触りを求める「結婚生活」が相まっていく話に女性監督ならではの力量を感じた。
posted by ミッキー at 10:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする