🎬『37セカンズ』 HIKARI監督/日本、アメリカ/115分/2月7日より新宿ピカデリー他にて全国順次ロードショー公開
東京の郊外に住んでいる23歳の貴田ユマ(佳山明)は、シングルマザーの恭子(神野三鈴)と2人で暮らし。過保護な母親のもとで車椅子生活を送っているが口うるさく世話をしてくれることが、少し疎ましく思っているユマだった。
彼女は親友で少女コミックの漫画家SAYAKA(萩原みのり)のゴーストライターをしているが、それは2人だけの秘密だった。SAYAKAは今時のアイドル風で可愛くて人気があった。ユマはそんな親友の姿を見て羨ましく感じていた。
監督さんはロサンゼルスを拠点に活躍する方で本作がデビュー作。漫画家のゴーストライターとして空想の世界を描き続けていたユマを演じる佳山明さんを見出すまでのご苦労は大変なものだったと思う。
自立してアダルト漫画家になりたいがSAYAKAに内緒で出版社に自作を持ち込んでも、SAYAKAに似ているとかセックスの体験のないきれいごとの内容だと批評されてしまう。
そこでユマは……この後は書かない。これは障がい者だからということより、誰しも自分の殻を破る勇気に繋がる作品だと感じた。
★題名の37秒は、出生時に37秒間呼吸が止まったことによる脳性麻痺になってしまったことからつけられた。
★ユマを演じた佳山明さんも同じ脳性麻痺を抱えながら、社会福祉士として活動している方。