2020年01月07日

2019年国内映画祭・一押し作品(1)トーキョー ノーザンライツ映画祭からフランス映画祭まで

おはようございます。娘の家から35歩に喫茶店が出来た。市街地の中の住宅だからお隣が喫茶店でも不思議ではないが駅から2分弱でも周りは静かなところだ。1人で行ける喫茶店は3軒あるが皆んな徒歩300ぐらいで遠い(?)。そこに目の前が喫茶店だ。きた時がクリスマスでずっと休みだったが昨日開店していた。ワンちゃんの散歩の時開いているのを発見したので終わってから1人で入ってみた。

お店のテーブルにはお花。

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カプチーノと指差したメニューがこれ。

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しめて18ドル。高いのか安いのか……。でも雰囲気は落ち着けてセンスの良いジャズ♪がちょうどいい音量で流れていた。

◆トーキョー ノーザンライツ映画祭(2019年2月9〜15日/ユーロスペース)
日本が一番寒いこの時期ぴったりの映画祭。極寒のなかでも会場の渋谷ユーロスペースでは人いきれでムンムン。ほぼどの作品でもお客さんは7割方の入り。新作をモットーに北欧から作品を集めておられる姿勢に感服するばかりだ。全部で8本観たが、これが一押し。

🎬『アイ・ビロング』ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督/ノルウェー
誠実に暮らしている中年女性3人。看護婦、小説家、未亡人の3人。映画始まりのところであまり関係のない3人が遭遇する場面があったはず。それに、意外なところですれ違っている場面もあって、もう一度見てみたい。確実に言えることは「この3人はとてつもない不幸」を背負っているわけでも、不幸になってしまうわけではない。自分の周りには不幸もあるけどそうじゃない「幸せ」もある……という示唆に富んでいる作品だった。


◆グリーンイメージ環境国際映像祭(2019年2月22日〜24日 東京・日比谷図書文化館)
世界の環境問題を数多の事例を映像で知らしめてくれる貴重な映像祭。各分野の専門家たちのトークも見逃せない。一押しはユニークな男の行動を追った感動のドキュメンタリー。

🎬『けもの道 京都いのちの森』川原愛子監督
京都の市街地と山の境界で暮らす猟師・千松信也さんは、近隣の3つの山に入り、手製のワナをかけてシカやイノシシを捕獲。その一部始終、千松さんの生き方、考え方を知るために、ひと冬の猟に密着したドキュメンタリー。
けもの道にはほとんど毎日のように見て歩き、糞、足跡、一枚の葉っぱも見落とさず「これは昨日の糞で、子連れで歩いた跡だ」と話しながら歩き回っていた。自分の仕掛けたワナで捕えたイノシシを解体して家族や友人と食するだけで、それ以上に獲ったりはしない。そんな中で、イノシシを獲った拍子に、ご自身が足を骨折して病院に担ぎ込まれた。医師から手術をとすすめられたが、彼は「イノシシも3本足のがいる。自分だってギブスだけの治療で不具合とともに生きて行きたい」と頑として手術を受けなかった。★あっぱれ男大将(大賞)


◆中国映画祭 電影2019 (3月9日(土)・10日(日) 大阪・梅田ブルク7 )
東京と大阪(一回は名古屋でも)で開催されているが、大阪アジアンと日にちが重なっているために3作品のみ。その中で一押し作品があった。

🎬『駐在巡査 宝音(ボヤン)』ヤン・ジン監督

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ウラド放牧民族のボヤン(ボヤン・ネメフ)は人民警察として広大な地域をバイクで見回っている。彼の仕事は放牧民たちのもめ事の話を聞いたり、鉱石工場で働く人たちの登録をしたりと穏やかなものだった。そんな中、外地から来た美人女性が殺されるという事件がきっかけとなって、平穏な日々が少しずつ変化していく。
雄大な景色の中を土煙を上げて人々の困りごと相談や頼まれごとを気軽に引き受けてくれるボヤン警官。世話好きな母親との二人暮らしだ。ボヤンの活躍を耳にしたテレビ局が取材に来て「こんな何もないところで大変ですね」と問われると「いえいえ、ここは素晴らしいところです。ヤギのミルク、チーズ、肉、地からの恵み……」と滔々と自慢している。困難は「水」だけだ。これは撮影監督が北野武監督作品などで知られる柳島克己氏。きっと公開されるはずと思うが……。


◆大阪アジアン映画祭2019(2019年3月8日から3月17日
年明け一番の大型映画祭。アジア各国の新作を制作段階から情報を集めているとか。そのご努力に感謝しなければならない。一押しは2月公開の『淪落に人』映画祭では『みじめな人』となっていたが、体はみじめな状態かもしれないが、介護の女性、男友達が助けてくれてちっともみじめではない。是非劇場でご覧いただきたい。公開の話は聞こえてこないが、もう一つある。

🎬『先に愛した人』シュー・ユーティン監督/台湾
突然この世を去った父親には男性の恋人ジェイ(ロイ・チウ)がいた。その男は父の保険金受取人にもなっていて、自由気ままに生きている人間だった。そんな現状に気の強い妻リウ(シェ・インシュエン)の怒りは爆発。そんな2人の間に挟まった高校生の息子リン(ジョセフ・ホアン)は戸惑いを隠せなかった。
夫は数年前にゲイをカミングアウトして全財産を妻と一人息子に残して出て行った。その財産だって一生気楽に過ごせるたかではなく、保険金はゲイの恋人に渡ってしまう。だから息子を連れて保険金渡せと怒鳴り込みに行く。息子はそんな母親から家出。ゲイの恋人の家に逃げ込む……。
ロイ・チウの魅力、シェ・インシュエンの猛烈ママ演技、戸惑う高校生をピュアに演じた新星の三人三様が光っている作品だった。2018年の台北フィルム・アワードで主演男優賞(ロイ・チウ)、主演女優賞(シェ・インシュエン)受賞。来日したロイ・チウさんはこの作品ではちょい悪風だが、実際は美男子‼️ 彼のファンたちで最前列はしめられていた。


◆ イタリア映画祭2019(2019年4月27日から5月4日 有楽町朝日ホール
イタリア映画祭公式カタログには半分くらいの作品のいろいろな出来事が終盤5分前まで書いてある。それは映画の旨味を出しきったように感じている。これに気付いてから3回目。朝日新聞社の非常識さに呆れている。
一押しはミッキー好みから『ドッグマン』だがこれは公開した作品で洋画ベストテンに入れた。で、もう一つは女性監督作品。


🎬『私の娘よ』ラウラ・ビスプリ監督/イタリア、ドイツ、スイス
両親と共にサルデーニャで住む10歳の誕生日が近いヴィットリア(サラ・カス)は、この頃の母ティーナ(ヴァレリア・ゴリーノ)の様子がおかしいと感じていた。物思いにふけったり、会話も上の空だったりしていたのだ。そんな時、母の古い友人という女性アンジェリカ(アルバ・ロルヴァケル)の住む「山」に連れて行ってもらう。
素晴らしい作品だった。この女性監督さんの前作『処女の誓い』も大好きな作品。話はそれるが、東京でアルバ・ロルヴァケルさんが同時に『私の娘よ』『ルチアの恩寵(映画祭4作品目)』『幸福なラザロ』『ザ・プレイス 運命の交差点』と4作品に出ている。イタリア映画界でなくてはならない大女優さん。これは公開されるべき映画で、あいちの女性映画祭でもう一度観られたらこんな幸せなことはないと思っている。


◆EUフィルムデーズ(東京・5月31日から6月27日、他に京都、広島、福岡にて上映)
欧州連合(EU)加盟国の在日大使館・文化機関が提供する作品を一同に上映する、ユニークな映画祭で、上映される作品はヨーロッパの映画製作者の幅広い才能を披露するとともに、EUが重視する文化的多様性をさまざまな表現で映し出しています。17年目となる2019年は、22のEU加盟国の作品を上映している。お値段も500円ほどでお値打ちで新作も10本以上ある。ここで初上映された『エッシャー 視覚の魔術師』は去年12 月に公開された。ミッキーはこれよりオーストリア、ドイツの作品『キオスク』が一押し。

🎬『キオスク』ニコラウス・ロイトナー監督/オーストリア、ドイツ
1937年のウィーン。キオスク(タバコ、葉巻、新聞などを売る店)の見習い店員として田舎から出てきた17歳のフランツ(シモン・モルツェ)。店の主人オットー(ヨハネス・クリシュ)は、タバコの知識はもちろんのこと、お客の特徴、注意するべきことなど優しく教えてくれる。そんな中、常連客の老人・ジークムント・フロイト(ブルーノ・ガンツ)と親しくなりフランツの恋の相談相手になる。店主オットーは片足がないが、カウンター越しにはそれはお客から見えない。観ているこちらも彼の姿を見てハッとさせられる。客の注文の品を探して手渡すのがフランツの役目だ。
世界的に有名な心理学者であるフロイトさんに恋の悩みを相談するが、そこで面白いのがフロイトさんもすぐにはうまい助言ができなくて困っている表情がおかしかった。きっとフロイト自身も「女」のことに関してはわからないことが多かったのだろう。
★去年2月にお亡くなりになったブルーノ・ガンツさんの燻し銀の演技が光っていた。
★ナチスが台頭して来る不穏な時代を描いたロベルト・ゼーターラーによる小説「キオスク」の映画化。
★全映画祭作品中5位❗️

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◆フランス映画祭2019 横浜(6月20日から23日まで横浜みなとみらいホール他)
フランス映画祭はほとんどが公開が決まっている作品が多い。ミッキー一押しも今月末に公開する『男と女 人生最良の日々』。主演2人もそれぞれの子らも同じ俳優さんで53年目を写しとっている。

🎬『男と女 人生最良の日々』クロード・ルルーシュ監督/フランス
老人ホームで多くの時間を過ごし少しずつ過去の記憶が薄れていく男は1人の女が忘れられないでいた。それを察した息子アントワーヌは女を探し始める
1966年にクロード・ルルーシュ監督の『男と女』が公開された。それから53年以上たった今、主演した男と女(ジャン=ルイ・トランティニャン(88)とアヌーク・エーメ(87))は再会する。お互いの息子アントワーヌ、娘フランスワーズも出演。美しく老いるという難しさに(手遅れだが)戸惑ってしまった。


◆お次は悪名高い第2回熱海国際映画祭だがこれを書くと非常に疲れるので、2019年6月28日から7月2日のミッキーのブログを見ていただきたい。第1回目は2018年6月29日から7月2日までをご覧いただきたい。映画祭史上?初の珍事あり❗️


posted by ミッキー at 04:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする