団地に引っ越してきた吉岡家。会社員の夫、幼い一人娘、妻真紀(篠原ゆき子)は隣部屋の住民の若田美和子(大高洋子)が早朝にバンバンと布団叩きする音で飛び起きた。引っ越してきた早々のことで事情がわからない彼女は直にベランダごしに優しい口調でこの時間にはやめてほしいと頼むが……。
実際に騒音おばさんのことはテレビでもやっていた。本当のことはわからないがこの作品ではお隣の事情がだんだんわかってくる。幼い娘には名優・新津ちせちゃん。
🎬『リリア・カンタペイ、神出鬼没』アントワネット・ハダオネ監督、脚本、原案/フィリピン/100分/クロスカット・アジア

30年の間、魔女や幽霊の端役ばかり演じてきた女優・リリア・カンタペイさんは初めて国内の映画祭で助演女優賞にノミネートされた。舞い上がってしまった彼女は受賞式に来ていく衣装、スピーチを考えていた時、人気テレビ番組から取材を受けることになって……。
フィリピンの街角で「リリア・カンタペイさんを知っていますか」と聞いても誰も知らないが、写真を見せるとほとんどが「魔女をよくやってる」「知ってる、知ってる、幽霊役の人だ」と口々に言う。
女優ではあるが彼女の暮らしは電話もない貧しさ。出演の連絡はお店やさんに取り次いでもらっているから、1日1回、連絡なかった聞きに行くわけだ。彼女の家には出演したチラシが壁に貼ってある。自分の名前を大きく書いたチラシもあった。歳はとってもお茶目な方で人情家でもある彼女だ。
最後、嬉しさが込み上げてきてミッキーは泣いてしまった。
🎬『喜劇 愛妻物語』足立紳監督/117分/コンペティション/2020年公開予定
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は妻のチカ(水川あさみ)と幼い一人娘アキ(新津ちせ)の3人暮らし。妻が会社員なのでなんとか食べていけているが、その代わり豪太が家事を任されている。妻の機嫌はいつも悪く、夜の営みはこの2ヶ月はなし。いろいろ機嫌をとったり、話しかけたりするが何の効き目もなく、かえって口汚く怒鳴られる日々だった。
足立監督は『14の春』『お盆の弟かっこの方。大声で喜び、怒り、愚痴など女たちが精一杯に心情を叫ぶ映画をまとめてみたが、この作品の水川あさみが一番酷かった‼︎ これ妻に主権を握られている亭主なら縮み上がるだろう。こんなにクソにされて我慢できる男はそういないと思う。
濱田くんがかわいそうで、かわいそうで……、しかし、この3作品、後味は良いのでご安心を。
★ ここでも新津ちせちゃんが両親の喧嘩バトルに気を使っていた。今年の子役大賞は新津ちせちゃんに決定❗️