1976年6月、イスラエル・テルアビブ発パリ行きのエールフランス機がハイジャックされた。犯人は500万ドルと50人以上の親パレスチナ過激派の解放を要求。多数の国民を人質にとられたイスラエル首相は態度を保留。交渉に反対する国防大臣は士官たち内密に人質奪還の計画を立てるが……。
ハイジャック犯、政府高官、救出する兵士、乗客、乗務員の目から事件の顛末を描いていた。現実的に事件解決を進める部分と対比するように現代前衛舞踏の練習や本番舞台を見せてくれた。
主演はダニエル・ブリュール、ロザムンド・パイク。アミン大統領そっくりさんも登場。
🎬『ガス人間第1号』本多猪四郎監督/91分/1960年/国立映画アーカイブ(元・京橋フィルムセンター)

吉祥寺の富田銀行を襲った銀行ギャングは岡本警部補(三橋達也)らの必死の追跡にもかかわらず、車は五日市街道沿いの崖に落下。車内には誰もいなくてその近くにある古い屋敷を訪ねるが、そこは有名な日本舞踊の家元春日藤千代(八千草薫)の住まいだった。美しい藤千代は爺や(左卜全)と二人っきりで暮していた。
ギャングは再び中野の銀行を襲い行員も殺していた。死因は得体のわからない煙のようなもので窒息していた。
岡本はその事件後すぐに藤千代が高級車を買ったり、お金のかかる踊りの発表会を開く計画をしたりとお金回りが良くなったのをあやしく思っていた。
岡本警部補のフィアンセである東京新報の記者・京子(佐多契子)は、藤千代の身辺をさぐり始めた。岡本たち警察は強奪された銀行の紙幣のナンバーと藤千代の使う札のナンバーが一致するのを発見して逮捕に踏み切ったが……。
1960年、半世紀以上前の映画。ガス人間という奇妙な男を登場させるだけでも奇想天外だっただろうが、そんな不思議映画も平伏したくなるほどお美しい八千草薫の前では形無しで、最後の思いっきりのいい幕切れも、女の情念が生きていた。この映画から八千草薫さんを引いたら何も残らない映画だ。
終わって拍手が起こった。このフィルムセンターでは珍しいことだ。