2019年07月07日

「花開くコリア・アニメーション2019+アジア」in名古屋 『半島で生きたい〜演技派おやじの奮闘記〜』『フェルーザの夢とともに』その他

東京、大阪と開催された「花開くコリア・アニメーション2019+アジア」がいよいよ昨日から名古屋で開催された。10年目になったこの催しも回を重ねるごとに観客数も増えてきている。特に今年は3年ぶりの長編アニメも上映された。


🎬『半島で生きたい〜演技派おやじの奮闘記〜』イ・ヨンソン監督/85分

ひそかに俳優になる夢を抱いて生きるオ・ジュングは、大学で演劇学科の非常勤講師をしている。家族は妻と子どもが2人の4人家族。満足いく暮らしではないがどうにか暮らしていた。

そんな時、昔の友人が「君にぴったりの役があるんだけど、後押しするからオーディションを受けてみないか」と嬉しい電話がかかって来た。大学は非常勤なので時間の融通がつくので、やっと自分にもチャンスが回ってきたと大喜び。

ところがもう一つ、大学の教授のスキャンダルなアクシデントに遭遇してしまい、彼にはそんなつもりは毛頭なかったが「後任にあなたを推薦するから内緒にしてくれ」と頼み込まれる。

二つのチャンスの前で迷いに迷って選択するが……。

非常勤とはいえ大学の先生、だが「お人好しの不甲斐ないおじさん」という感じで、韓国俳優さんならオ・ダルスさんの雰囲気。演技の授業も独演会みたいで「力」がはいっていて、生徒たちからの評判もまあまあだ。

彼の人生に於ける「嬉しい」2つの選択肢に、時を同じくして、家庭内で「嬉しくない」出来事が起こって自分だけで決めれない状態になっていく。それをあえて無視して「役者になりたい」と突き進むには、ちょっと歳をとりすぎたなぁと思わずにはいられなかった。


🎬『フェルーザの夢とともに』キム・イェヨン、キム・ヨングン監督/24分

2013年、アニメーション監督のキム・イェヨン、キム・ヨングン夫妻は、1年半もの長い間、世界をまわる新婚旅行の途中で、エチオピアの村で思いがけず韓国語で喋りかけて来た少女フェルーザと出会った。彼女の家は民宿を経営していて、そこの長女14歳のフェルーザだった。

韓国語は、韓国ドラマ『花より男子』で、イ・ミンホのファンになった彼女は韓国語を独学でマスター。しかし、中学卒業後、見知らぬ男性のもとに嫁ぐ運命だった。もっと勉強したいというフェルーザの夢をかなえるため、キム夫妻は旅行日程を延ばして、彼女の夢を手助けをする。

1年半も新婚旅行するなんて素敵❗️ そんな若いご夫婦が名古屋会場に。スライドを映しながら、その後のフェルーザのことも教えてくれた。今は土地の大学に通っていて、このフィルム上映の時に2回も韓国に来ている。それもこれも、この若い夫婦の助力があったからだ。

短い映像(実写とアニメが半々)だったが深い感動を覚えた。

★短編より

短編「Sigh of Sighs」キム・ボソン監督/約6分

漢江に漂着したまま、放置され腐っていくクジラ。だが誰も気に留めず、犬や鳥たちだけがクジラの周りをうろつく。
上空からカメラを回しているような描き方で、モノクロの中の描写が微に入り細に入りの的確さとシュールさが合わさって見惚れてしまった。まるでドローン映像を見ているようだった。

短編「妹」ソン・スーチー中国、アメリカ/約8分

1990年代の中国。男はわがままな妹と育った幼いころの記憶を思い出している。が、もし「妹」いたら……と想像をしているのだ。

男は母親が妊娠したが第二子を産めない決まりで中絶を余儀なくされた。女の子とわかってその子がもし産まれていたらと思い巡らしている。
起承転結がしっかりしていて思いがけないオチ、それとひとりっ子政策の国情が描けていた。ミッキーが見た中ではナンバー1。

短編「海まで5分」ナタリア・ミルゾヤン監督/ロシア/7分20秒

母親が娘に「唇が真っ青よ、また泳ぐなら5分間は休んでね」と言われて仕方なく時計を眺めながら浜辺に寝そべる少女。
浜辺のようすが「幸せの5分」に集約されていて、静かな中にあわあわとした絵柄で楽しませてくれた。
posted by ミッキー at 10:24| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月06日

7月5日公開映画(2)『ワイルドライフ』伏見ミリオンにて

昨日試写で荒井晴彦監督脚本の『火口のふたり』を観た。原作は白石一文の小説。映画はミッキー好みではないが、主演のふたり(柄本佑、瀧内公美)は着ても脱いでも素敵だった。

しかし、脚本に?が。4年前に公開された廣木隆一監督 『さよなら歌舞伎町』は脚本が荒井晴彦さん。この時も?があった。

その映画のセリフ(セリフは確かではないが大筋では合っている)

ラブホ店長の妹が「AV女優」として、このラブホテルで「撮影」をする。もちろん、妹は兄が店長などしるよしもない。兄妹はまさかの対面で「二人だけて少し話させてほしい」となる。

その時の会話で、妹が「3月11日の地震でおじいちゃんは死んで、お母さんは病気になって…」と兄に向かって言う。この時の「3月11日」はいらない。普通なら「アニキもあの地震の時の家の状況、知ってるでしょ?それなのにアニキは手助けもしてくれない!私一人でみんなやったんだよ…」ぐらいじゃないかな。観ている者への説明台詞になっているのが「?」だった。

この『火口のふたり』も「○○に住んで、近くの○○の保育園に勤めていた」と土地の固有名詞をつけている。

ふたりが知っていることなら固有名詞はいらない。「私が上京したのはあなたのそばに行きたかったからだよ。だから近くの保育園に勤めて、アパートも近くに借りたんだよ」 で済む。こちらにわかるように地名を入れる必要はストーリー上もない。脚本家として有名な方なのに理解できない。

🎬『ワイルドライフ』ポール・ダノ監督/アメリカ/105分/伏見ミリオンにて

1960年頃のカナダとの国境近くのモンタナ州の田舎町。14歳のジョー(エド・オクセンボールド)は、ゴルフ場でコーチとして働く父ジェリー(ジェイク・ギレンホール)と、専業主婦の母ジャネット(キャリー・マリガン)の3人で慎ましく暮らしていた。

だが、父親がゴルフコーチを解雇されてしまう。でも次の日になって「やっぱり君が必要だ」とゴルフ場から電話がかかるが断ってしまう。数日、職探しもろくにしないでいたが、何を思いたったか「山火事を食い止める出稼ぎの仕事に行く」と勝手に決めて行ってしまう。帰ってくるのは雪が降る時期までだ。

残された母親は水泳教室の臨時の先生、ジョーは写真屋の助手で働くことになったが……。


平和な家庭も一つ狂ってくるとドドドっと暗いものとなって行く。最初は息子に対して勉強熱心な家庭だな、息子は今は素直だか、この子が反抗するようになるのか と思ったが、あにはからんや、両親が問題を起こすのだ。

両親の不仲、お母さんの男関係に14歳の少年が一人悩んでいる姿が非常に切なかった。この少年エド・オクセンボールドは『アレクサンダーの、ヒドクて、ヒサンで、サイテー、サイアクな日』や『ヴィジット』で活躍した若手俳優さん。
posted by ミッキー at 09:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月05日

7月5日公開映画(1)『Diner ダイナー』『ゴールデン・リバー』

🎬『Diner ダイナー』蜷川実花監督/117分/名古屋109シネマズにて

オオバカナコ(玉城ティナ)は誰にも必要とされていない自分を変えるために、外国に行こうと決めたが、お金がないので1日30万円の危険なバイトに応募した。そこは、店主もお客も全員殺し屋のダイナー(食堂)で、ウェイトレスとして店主ボンベロ(藤原竜也)の元で働くようになる。

仕事はきつく失敗をすれば即座に首(が、飛んでしまう)。それに一歩も外には出られないレストランの構造に覚悟を決めて働くが……。

なになに、大場加奈子?と思いきや「大馬鹿な子」じゃん。あほくさ! と、入ってからちょっと後悔した。名古屋109のシアター6だから、いつも完成披露する大きな部屋でお客は15人ほど。

外は蒸し暑いし1時間ぐらい涼んでつまらなかったら出ようと思ったが、出てくる人、全員がキャラが立っていて興味が湧いてきた。

カラフルというより極彩色➕キラキラ。来る殺し屋のお客は「俺様が一番」のワガママぶり。カナコが困っていると冷たい性格と思っていた店主が「恩着せがましく」助けてくれる。

ダイナーの出す料理も手抜きなしで見せてくれるし、殺し屋が殺し合いする映像は容赦がない。

⭐️けっこう大声を張り上げるセリフが多い中、藤原竜也は声の輝きがくぐもっていてお疲れかと心配になった。窪田正孝は明るい声の響きだった。

🎬『ゴールデン・リバー』ジャック・オーディアール監督/フランス、スペイン、ルーマニア、ベルギー、アメリカ/120分

時はゴールドラッシュ。オレゴンの町で最強と恐れなれている殺し屋兄弟がいて、彼らのボスの依頼で黄金を見分ける化学式を発見した男を追いかけることになった。 兄弟の他に連絡係も同行することになった。だが、黄金に目が眩んだ科学者と3人の追っ手の4人は立場を越えて手を結ぶことになる。

殺し屋兄弟の兄(ジョン・C・ライリー)、弟(ホアキン・フェニックス)、連絡係(ジェイク・ギレンホール)、科学者(リズ・アーメッド)と豪華俳優陣。監督さんは『君と歩く世界』の方。見事な演出力で「人間の底なしの欲望」をあぶり出している。

殺し屋稼業を辞めたい冷静な兄と暴力的な弟。風貌の違い、性格の違いが上手くバランスが取れていて俳優選びの妙が生きている作品。
posted by ミッキー at 18:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする