2019年07月10日

不条理の濁流にのみ込まれて 7月26日公開『よこがお』

🎬『よこがお』深田晃司監督/日本、フランス/111分/7月26日より角川シネマ有楽町他にて全国ロードショー公開

訪問看護師の市子(筒井真理子)は、献身的な看護で周囲から信頼されていた。特に訪問先の大石家では、お世話をする祖母の孫にあたる基子(市川実日子)に介護福祉士になるための勉強を見てやっていた。基子は市子に対していつしか憧れ以上の感情を抱き始めていたが、市子は気付きもしなかった。

そんなある日、基子の妹・サキ(小川未祐)が行方不明になる。1週間後に無事保護されるが、犯人は意外な人物だった。その事件のきっかけを作ってしまった市子は関与を疑われ、ねじ曲げられた報道や裏切りによって生活の全てを失ってしまう。


自分が何もしなくても市子のような立場になる可能性は確かにある。事件が起これば加害者の両親、兄弟はもとより事件の元を作った市子の立場も無関係とは言えない微妙さがある。

だが現実的に考えるとこの映画の所々に「あそこの時点で判断ミスしている」とか「そこまでするまでのことか」と思わずにいられない箇所がある。そこを説明するとストーリーがわかってしまうから、書けないことがもどかしい。

筒井真理子さんの実力は『ニート・オブ・ザ・デッド』で承知している。地味だし、そう美人ではないが、なりふり構わずの場面で、その「実力」が遺憾なく発揮される。

『よこがお』でも、働く介護師時代はノーメイクに近い、だが事態が変わってくると狂気じみた行動と共に化粧も変わってくる。

⭐️観た後、胸のざわつきが長時間続いた。しかし、後味が悪いのとは全く違う。
posted by ミッキー at 16:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月09日

レッドフォード、引退作品は心優しき銀行強盗!7月12日公開『さらば愛しきアウトロー』

🎬『さらば愛しきアウトロー』デビッド・ロウリー監督、脚本/アメリカ/93分/7月12日よりTOHOシネマズシャンテ他にて全国ロードショー公開

1980年代、アメリカ。ポケットに入れた拳銃をチラリと見せるだけで、微笑みながら誰ひとり傷つけず、目的を遂げる74歳の銀行強盗フォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)。

被害者の銀行の窓口の女性や支店長は彼のことを「紳士だった」「礼儀正しかった」と口々に言う。人を傷つけることなく2年間で93件もの銀行強盗を成功させたフォレスト。事件を担当するジョン・ハント刑事(ケイシー・アフレック)も、追いかけていくうちに彼の生き方に魅了されていく。


御歳82のロバート・レッドフォードさんが、実在した強盗犯フォレスト・タッカーを描いた『さらば愛しきアウトロー』を最後に引退するというニュースだが、お身体から無駄な力がスーッと抜けた絶妙演技に目を奪われた。まだまだやれるじゃないですか、これからじゃないですか……と言いたかった

『運び屋』をやったクリント・イーストウッドさんは(89歳でまだまだ今後もいけそう)麻薬運び屋、レッドフォードさんは銀行強盗……、それにお二人とも紳士。

アメリカを代表する俳優の輝きは消えていない。この輝きは貴重なもので、色気やユーモアある受け答えで「男の本領」が見えてくる。

⭐️デビッド・ロウリー監督は『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』
posted by ミッキー at 17:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月08日

Netflix 「アウシュビッツの会計係」

ひさしぶりにNetflixを見た。1ヶ月900円以下だから一本は見ないとおもいながも、先月6月はまともに一本も見なかったので今月は頑張りたい。見たのは「アウシュビッツの会計係」

🎬「アウシュビッツの会計係」Matthew Shoychet監督/カナダ

戦後70年経って起訴されたドイツ人、オスカー・グレーニング被告(94)は、第2次大戦中、現在のポーランドにあったナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所で簿記係として勤務し、約30万人の殺害をほう助した罪に対して禁錮4年の判決を言い渡した。

ナチス「最後の裁判」といえるこの裁判の一部始終を追っているドキュメンタリー。


歩行器にすがるように法廷に出てきたオスカー・グレーニング被告は、穏やかな表情の白髪の老人。虐殺に「道義的な共同責任があることは間違いない。許してほしい」と言った。元ナチスの被告が自分の責任を認めるのは珍しい。

彼は志願して武装SSに入隊、1942年から2年間、アウシュビッツ収容所に到着した人の所持品を登録し、金品をベルリンの本部に送る仕事をした。また、収容者を強制労働とガス室行きに仕分ける作業にも関与していたことを認めた。

この裁判で、各国から証人が集められるが、老齢で記憶が確かで裁判に出られる人はほんの数人だ。中でも双子姉妹だったお一人の老婆は人体病理実験を強いられたが、奇跡的に助かった。その方が「あなたを許すわ」とオスカー・グレーニング被告に近寄って抱擁する姿が映っていた。
これが大きな反響を呼び、賛否両論の意見が出たが、彼女は「許すことで自分は自由になれた」と自説を曲げようとしなかった。
posted by ミッキー at 10:58| Comment(0) | DVD Netflix | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする