2019年07月19日

『月夜釜合戦』

昨日は川口の映画祭から新宿に夜8時ごろついて、レイトで何かないか調べるためにシネマカリテに寄った。

カリコレの9時からの『アストラル・アブノーマル鈴木さん』は大野大輔監督トークつき。案の定ソルドアウトで、明日(今日)夕方の『フローズン・ブレイク』と9時からのレイト『ダーティ・ガイズパリ風俗街潜入捜査線』を買った。

で、帰ろうと思ったが、iPadで調べたら8時過ぎ上映の『月夜釜合戦』が新宿ケイズシネマでやっているのを見つけて観に行った。川口で3本で食事休憩の後だから眠くなるか心配だったが、目が冴える作品だった。

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観て外に出たら 大・大雨、水煙が上がっていた。20分くらいコーヒー屋さんで雨宿りして小雨状態のところをぬれながら帰った。


🎬『月夜釜合戦』佐藤零郎監督/115分/新宿k's cinemaにて

日本最大の「寄せ場」釜ヶ崎(西成・あいりん地区)。日雇労働者、芸人、私娼や孤児など市民社会からはじき出された者たちが、この街に暮らしてきた。そんな街が、再開発の下で今失われつつある。

全編16フィルムで「通称・釜ヶ崎」が浮かび上がるとなんとも言えない郷愁を感じた。 毎年行く大阪アジアン映画祭で、泊まるところが2300円ぐらいの新今宮駅そばの安宿だから、見たようなところが映ってないかしっかり見たが全然映ってない。もっとコアなところだろうか、いつも目印にしている通天閣が遠くに映っていた。

⭐️題名は「月夜の晩に釜を抜かれる」という諺で、月夜の晩は明るいから盗まれる心配はないと思ってうっかりしていると、釜を盗まれてしまうという意味。
⭐️渋川清彦さんも顔負けの「寄せ場の人たち」が普通の佇まいで日常を見せてくれた。
⭐️どうして通称「釜ヶ崎」と名がついたという台詞に「米を炊く釜が一番大切だから、何よりもカマガサキの意味(一番気に入った❗️)。オカマがいたから。昔、ここらは海辺で塩を煮る釜があったから、等々諸説ある。
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2019年07月18日

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019(2)『未成年』『イリーナ』

🎬『未成年』キム・ユンソク監督、脚本、出演/韓国/96分/日本初上映

女子高生のジュリ(キム・ヘジュン)は会社経営の父親(キム・ユンソク)が同級生ユナ(パク・セジン)の母親と浮気をしていることを知って、ユナを呼び出して忠告をしたが、逆に「私の母はあんたの父親の子を身ごもっているよ」と言われた。口論中にジュリにかかってきた母親からの携帯を奪い、ユナは夫の浮気をばらしてしまう。


韓国俳優のキム・ユンソクさんが監督デビュー作品。このドロドロの原因はジュリのパパの優柔不断が元。ユンソクさんのあたふたぶりが上手い。いろんな事情で女の子同士、髪の毛を引っ張って取っ組み合い喧嘩になる。

しかし、この家族間の大きな問題を乗り越えて、それぞれ境遇は違うが「強く生きて」行けそうだと感じさせる終わり方だった。

⭐️ジュリは丸顔、ユナはほっそりとしたお顔。キム・ユンソク監督さんは俳優選びが上手い!

🎬『イリーナ』ナデジダ・コセバ監督/ブルガリア/96分/日本初上映

ブルガリアの貧しい村に住むイリーナ(マルティナ・アポストロバ)は、働いている食堂の残り物やビールなどを持ちかえって、食いぶちの足しにしていた。夫は元炭鉱にいたが今は庭先の炭鉱跡から石炭を掘り起こしては暖房に利用している。

しかし、お店のオーナーに見つかりイリーナは首に、夫は落盤で両足切断……、どうにもならない状況の中、インターネット上で「代理出産求む、既に健康な子どもがいる方」という広告に応募。面接、診断とも合格したイリーナだった。

またまたすごい作品だった。この映画祭で上映されるものに「ハズレ」はほぼない。すごい!が90点以上なら、ここのまあまあは75点ぐらいだから、皆、レベルが高い! それに安い!椅子はちょっと続くと腰にこたえるが、いい作品を観たら文句なんかぶっ飛んでしまう。

若妻イリーナさんは首になった日、早めに帰ったら「夫と実姉」の現場を見てしまった。だけど夫に嫌気がさしていたので冷静だ。「あなたたち、いったいいつからなの? 毎日?1日おき?」と聞いていて、夫に「寒くなるから石炭とってきて」と言って、夫が地下に潜ってまもなく落盤。

踏んだり蹴ったりの三隣亡(さんりんぼう)の日だ。(ブルガリアにも三隣亡という意味の言葉があるだろうか)

両足のない夫との生活、代理出産の悶着で一波乱あるが、最後の幕切れは感動的だった。
posted by ミッキー at 19:49| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月17日

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019 (1)『陰謀のデンマーク』

都会・渋谷青山から埼玉県川口の映画祭に昨日から来ている。去年も今年も暑くない「川口」こうなると暑い、暑いの挨拶代わりの言葉も懐かしい。こんな涼しい川口の映画祭でガリガリくんが無料配布されていた。新製品らしいがミッキーは遠慮した。

🎬『陰謀のデンマーク』ウラー・サリム監督、脚本/デンマーク/119分/日本初上映

コペンハーゲンのとある駅で爆弾テロが起きて1年後。もうすぐ国政選挙が行われるが「極右政党」が勝利する兆しが見えてきた。

一方で対立するグループが現れ、19歳の青年ザカリアもそのグループに入っていて「行動」を起こすことを迫られていた。

そのグループでザカリアの「行動」を起こすための手ほどきする男・アリ(ザキ・ユーセフ)と人里離れた山中の小屋で射撃の訓練をする。

この映画祭で一番最初に観た作品で、こんなに衝撃的なものを観てしまって、後からみるのが霞んでしまうのじゃないかと思った。そんなことまで思わせる映画だった。質問者の方が「是非、公開してほしいので、助力してほしい」と司会進行の人に言っていた。ミッキーも同意見だ。

10中8で公開されると思うので、ここで説明してしまうのはできないが、意外な人の裏切り、結末で(結末については賛否両論あるが)終わってからも呆然として思考回路が停止するほどだった。

⭐️ウラー・サリム監督さんは、1987年にデンマーク生まれ。イラク人の両親を持ち、自分のの経験と想像を基に長編デビューした。


🎬『ブラインド・スポット』ツヴァ・ノヴォトニー監督/ノルウェー/98分

その日、帰宅した中学生の娘テアはいつもとまるで変わらない様子だった。しかし、母親のマリアが小さい弟を寝かしつけてから、食事の支度をしてテアを呼んだが返事がない。変に思って娘の部屋に入ってみると、窓は開きっぱなしで、テアの姿もなくなっていた……。


2作品目もすごかった。

ハンドボールの部活が終わってテアと部活仲間の女の子との帰り道を7、8分追っている。2人は「今日は、得点できていい試合だったね」「あの子たち、化粧してるね、どうせ部活してるうちに取れちゃうのに、無駄だよね」「数学のテストだけど、自分でやってみて解らなかったら電話するから教えてね」と会話している。テアはハンドボールでは主メンバーではないがお勉強はよくできるみたいだ。

そんななんの問題もない会話の後で、古い公団アパート(5階ぐらいに住んでいるがエレベーターはなかった)に帰って、その時の母親との会話も普通。母親が寝かしつけている間はパンに何か塗って食べて牛乳を飲んで、夜勤のお父さんの携帯に留守電を入れている「パパ、今日も夜勤頑張ってね、愛してる」、これだって普通だ。その後、自分のノートに20秒ほど何か書いてから、窓を開けて飛び降り……。(この場面は写していない)

会場からは思いがけない出来事で、息をのむ雰囲気が伝わってきた。

⭐️ブラインド・スポットの意味は盲点。
⭐️監督さんは『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』や『ヒトラーに屈しなかった国王』などに出演のスウェーデン人女優ツヴァ・ノヴォトニーの初監督作品。
⭐️主演のピア・シェルタさんは、サン・セバスチャン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。
posted by ミッキー at 19:04| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする