第二次世界大戦後のフィンランド。帰還兵のトウコ・ラークソネンは昼は広告会社で働き、夜は密かに部屋にこもって絵を描いていた。
そのスケッチブックの中は、ワイルドな筋骨隆々の男たちだった。同性愛が法律で禁止されていた時代で、トウコの絵は仲間とこっそり楽しむために描き続けていたが……。
静かな作品でちょっと💤。彼は妹と同居しているが、その妹さんが兄の本来の姿を知っても冷静な態度と絵に対しての協力も惜しまなかった。
この作品ではトウコの軍隊時代の思い出が時々映される。数人の男たちと歌う場面があったがその男声が戦場(確か森の奥深く)に静かに響いていた。そこだけのためにもう一度観たくなったシーンだった。
⭐️ソ連兵と戦った軍隊時代が、今公開中のフィンランド映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』と重なり合った。
🎬『パリに見出だされたピアニスト』ルドヴィク・バーナード監督/フランス、ベルギー/105分/9月公開
パリ、北駅。奇跡はその場所から始まった。 駅に置かれた1台のアップライトピアノ(YAMAHA)。マチューの楽しみはそのピアノを弾くことだった。だが不良仲間と盗みをしたので演奏中に警官に見つけられて、やっとの思いで逃げ切ったが、彼の演奏を聴いていた音楽大学の教授が彼の才能に驚いていつも駅のピアノの場所で彼の来るのを待っていた。
実話ものではないので、こんなにうまく行くか? と思いつつ、マチュー青年の生い立ち、行動、演奏に魅せられた。
本当に弾いているように(一部分は弾いてアップで映されているらしい)見せるのも上手い。
実際にマチュー役のジュール・ベンシェトリにピアノ指導したジェニファー・フィシェが本作の実際のピアニスト。いただいた資料の文の中にお名前があるだけで、スタッフ欄にも載っていなかった。あれだけの演奏をする方だから簡単でもいいので紹介欄を設けてほしかった。
🎬『守護教師』イム・ジンスン監督/韓国/100分/8月2日公開
かつてボクシングのチャンピオンだったギチョル(マ・ドンソク)は、納得いかないジムやり方で上層部に文句を言い、暴力までふるったのでコーチの職を失ってしまう。そんなギチョルだったが妻の計らいで田舎の女子高の体育教師にありついた。
それまで男ばかりの世界で過ごしてきたギチョルはいうこと聞かない女生徒たちに囲まれて戸惑うばかりだった。そんな中で、不登校中の同級生の行方を探すユジン(キム・セロン)と出会う。ユジンが探す生徒は、家にも帰らずに忽然と姿を消してしまったのだという。他の教師や、警察もだだの家出だと取り合わなかったが……。
ストーリーぼ先がほぼわかってしまう展開だが、マ・ドンソクの困り顔と美しく成長したキム・セロンさんに免じて、ここは是非とも劇場でご覧いただきたい。
⭐️ミッキーは明日公開の『無双の鉄拳』を楽しみにしている。