2019年05月19日

放蕩無頼の兄、故郷に帰る 5月25日公開『兄消える』

🎬『兄消える』西川信廣監督/104分/5月25日よりユーロスペース他にて全国順次ロードショー公開

信州上田市の古い町並みの場所に親から受け継いだ鉄工所を細々と続ける鈴木鉄男(高橋長英)は76 歳の現在まで結婚もせずに一人暮らし。つい最近まで父親の介護に追われていたがその父も100歳で亡くなった。

そんな彼の周りには、商店会長の加賀(金内喜久夫)、工場を営む渡辺(坂口芳貞)、弁当屋の坪内(原康義)といった幼馴染たちが日頃から親しく付き合ってくれている。

そんなある日、突然40 年間も行方知れずだった兄の金之助(柳澤愼一)が、ふらりと戻ってきた。80 歳になる金之助には、娘ほど歳の離れた吉田樹里(土屋貴子)というお連れまでいた。

金之助は父の介護ベッドが置いてある部屋を我が物にして、金之助と樹里と鉄男の奇妙な生活が始まった。


ちょい悪老人で飄々としていて世渡り上手の金之助を演じる柳澤愼一さん。東京のラピュタ阿佐ヶ谷で毎回この方のお声を聴いていたことに気がついた。迂闊だった。映画が始まる前に画面ではなくお声だけで「お耳拝借」と言って予告をなさっていた。誰とは知らず柔らかい優しそうなお声とだけと印象的だったが、この映画を観て、はたとこの方と結びついた。

今年、日本映画ベストテンには確実に入る佳作。是非ともご覧いただきたい。

⭐️空想
「おじいちゃんおばあちゃん国際映画祭」をするならば、『兄消える』がオープニングかクロージングに選ぶべき作品で、5月31日公開の『長いお別れ』、アメリカからは『運び屋』、イタリアからは『ナポリの隣人』、スペインからは『家へ帰ろう』、古い日本映画からは今井正監督の『喜劇 にっぽんのお婆あちゃん』を上映するといいと思う……(空想終わり)
posted by ミッキー at 08:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月18日

5月17日公開映画 (2)『レプリカズ』『居眠り磐音』

🎬『レプリカズ』ジェフリー・ナックマノフ監督/アメリカ/107分

神経科学者ウィリアム・フォスター(キアヌ・リーブス)は、人間の意識をコンピュータに移す研究に打ち込んでいた。その実験がもうすぐ成功という時に、突然の事故で彼の家族4人が死んでしまう。

悲しみに耐えきれないウィリアムは、タブーを犯し、家族の身体をクローン化して意識を移し替えて、完璧なレプリカとして再生させようと決断。だがウィリアムは家族の記憶に一部を改ざんして移しかえていた。

そうして家族と幸せな日々を送ろうとするウィリアムだったが、研究を狙う政府機関は「サンプル」として4人を奪おうと襲いかかって来て……。

監督さんは『デイ・アフター・トゥモロー』の脚本家のかた。

キアヌ様ファンなら觀逃せない!が、しかしSF度はあまりにも現実感がなくて「それは無理だよ」と思いながら観た。

まあ、キアヌ様の家族を守るための誠実なお顔とそれを邪魔する者に対して容赦ない暴れぶりで満足。


🎬『居眠り磐音』本木克英監督/121分

親切で礼節をわきまえた若者・坂崎磐音(松坂桃李)は剣の達人。だが日向ぼっこで居眠りする猫のような剣術で「居眠り剣法」と呼ばれていた。

磐音と幼馴染である小林琴平(柄本佑)と河井慎之輔(杉野遥亮)の3人は、江戸勤番を終えて三年振りに九州・豊後関前藩に戻る。琴平の妹・舞は慎之輔に嫁ぎ、磐音も琴平と舞の妹・奈緒(芳根京子)と祝言を控えていた。

ところが、舞が不貞を犯したという噂を聞いた慎之輔が、噂を真に受けて舞を斬殺してしまう。それに怒った兄の琴平は、噂を慎之輔に吹き込んだ人物と慎之輔を斬る。当然、琴平は罰せられることとなり、磐音が錯乱した琴平を討ち取るよう命じられた。

琴平を討ち取った磐音は、妻になるはずの奈緒の実の兄を殺した以上、もう一緒になれないと彼女に黙って脱藩し、浪人の身となって江戸の長屋で暮らすようになって……。


公開の5日前に完成披露試写があった。観た後の感想を耳ダンボで聞いているとほとんどがいいねと言っていた。

主演の松坂桃李他すべて俳優陣はいいが、いかにも人物描写の底が浅い。終盤にかけての泣きどころもちょっと大仰。屋敷内部はいいが、外のセットがいただけない。いろんな点をマイナスしても観るべき時代劇には違いないが……。

⭐️例の薬物事件で公開が延びてやっと完成した。代わりに奥田瑛二さんがやっていたが、きっと大勢の人がいない画面に変えて作り直していて、そこを観るだけでも監督さんの力がわかった。

⭐️本物の時代劇を作ればお客があまりはいらない、人気スターを起用して時代劇を噛み砕いてゆるくすればヒットする……難しい選択だと思う。

posted by ミッキー at 10:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月17日

5月17日公開映画 (1)『コンフィデンスマンJP』『うちの執事の言うことには』

🎬『コンフィデンスマンJP』田中亮監督/116分

大胆に人をだます信用詐欺師「コンフィデンスマン」のダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)たち3人の次のターゲットは、「氷姫」と呼ばれている香港マフィアの女帝ラン・リウ(竹内結子)。

彼女が持つ伝説のパープルダイヤを狙って3人は香港へ乗り込む。 ランに取り入ろうと様々な策を講じるが、なかなかエサに食いつかず、苦戦する。

そんな中、天才詐欺師ジェシー(三浦春馬)が現れ、同じくランを狙っていることがわかる。そして以前、ダー子たちに恨みを抱く日本のヤクザ赤星(江口洋介)の影もちらつき始めて……。


コンフィデンスの意味は信用だが、話の進み具合が早く、どんでん返しがこれでもかとばかりに続出するので、誰を信用していいか頭が混乱。

主役は長澤まさみだがコメディエンヌとしては70点ほど。頑張りすぎて、その頑張りが観ているこちらに余分な緊張感を与えている。もっと脱力してあっけらかんとしてほしい。一方の女優、ラン・リウをやる竹内結子は適役だった。

⭐️どちらかというとこのガチャガチャぶりの映画は好みではないが、映画中1回も💤しなかった。


🎬『うちの執事の言うことには』久万真路監督/103分/109シネマズ名古屋にて

日本が誇る旧家烏丸家の第27代当主となった花穎(永瀬廉)は、イギリス留学から5年ぶりに日本に帰って来た。彼は18歳だが飛び級で大学を卒業するほど頭脳明晰、その上、色彩に関して特別な能力を備えていた。

そんな彼も、急に第27代の当主となって困惑気味だ。それも幼い時からの執事(奥田瑛二)ではなく、見知らぬ青年・衣更月蒼馬(清原翔)が執事として彼を迎えた。不満だったが衣更月と主従関係を結ぶ花穎。

そんな中、招待された芽雛川家次男のバースデーパーティーで花穎はある事件に巻き込まれる。そんな彼に、大学生にして起業家の赤目刻弥(神宮寺勇太)が親しげに近づいて来て……。


シリーズ累計75万部を超える人気ミステリー小説をアイドルグループ「King & Prince」の永瀬廉主演で映画化。どおりで初日初回は若い女の子同士の観客ばかりだった。

これ、17日公開映画の中でもミッキーオススメ作品。103分の中で起承転結がバランス良くおさまっている。主役・永瀬廉の口元がいいし、いつも気になる左利きも上品さを感じさせてくれた。

今時、皇室だってこんな豪華には生活していまい(と、思うが)。なんだか、日頃のみみっちいい現実生活をちょっとの間だけ忘れさせてくれた。
posted by ミッキー at 13:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする