1880年、エジソンが電球を発明した頃、ハンガリーのブタペストでは母(ドロサ・セグダ)が双子の姉妹を出産。名はリリとドーラ。生後まもなく孤児になってマッチ売りの少女たちになるが、凍えて座り込んで眠っていたら通りかかった2人の紳士に別々に拾われて……。
モノクロ映像の中で光る電球、その光が町中に灯り、行進する兵隊さんの帽子にも灯っていた。星の輝きも新鮮だった。
今じゃどこもかしこも目に突き刺さるLED電球だ。家では一切のLEDは使っていないが、カーテンを開ければ駐車場の照明が矢のごとく突き刺さる。エジソンが電球を発明された時、今までのロウソクと比べて「物がはっきり見えるはいいが、見たくない部分も見えるから嫌だ」と言った人もきっといたことだろう。
双子を産んだ(笑えるがベビー服を着て生まれた?)母親と長じてからの双子の3役をドロサ・セグダが演じている。母親はともかく、ドーラは娼婦、リリは心配性のスパイでメイキャップのせいかほとんど別人。いろんなところですれ違うがお互いを見るのは終盤になってからだ。
2人は男性の趣味が合うのか運命なのか1人の男Z(オレーグ・ヤンコフスキー)と関わってくるところから俄然と面白くなった。