2019年03月28日

新星スターを観る(1)4月12日公開『荒野にて』

🎬『荒野にて』アンドリュー・ヘイ監督/イギリス/122分/4月12日よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショー公開

仕事を変えては住まいを転々とする父(トラヴィス・フィメル)とポートランドに越してきた15歳の少年チャーリー(チャーリー・プラマー)は二人暮し。父は息子を愛しているが自分のしたいことを優先している。

母はチャーリーが赤ん坊の時にいなくなり、面倒を見てくれていたマージー伯母さん(アリソン・エリオット)もチャーリーが12歳の時に父と大喧嘩して出て行ってしまった。

そんなある日、昼間、学校に行っていないチャーリーに競馬場厩舎オーナー・デル(スティーヴ・ブシュミ)からアルバイトを頼まれる。どんな汚い仕事も精一杯働くチャーリーにデルは賃金以外に腹一杯食べさせてくれて、女騎手のボニー(クロエ・セヴィニー)も競走馬ピートをかわいがる彼に「競走馬を愛してはダメ、ペットではないよ」と忠告してくれた。

そんな大人たちのおかげで生活に明るいきざしがさした頃、女性関係の諍いが元で父親が死んでしまう。と同時に結果を出せないピートの殺処分が決まる。

この時から彼はピートと共にあらゆる困難の場から逃げる。15歳の少年に「そこに留まれ」というのは酷だ。確かに辛いストーリーだが湿っぽくならない楽曲とアメリカ北西部の原風景と馬、そして少年の走る[=逃げる]姿の瑞々しさで深刻さは半減する。

第74回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞したチャーリー・プラマーを是非とも劇場で見守っていただきたい。

⭐️数多くの映画を観てきて「この新人はきっと成長するぞ、注目していこう」と感じることがまれにある。この作品で主役を演じるチャーリー・プラマーがその人だ。アンドリュー・ヘイ監督は何百人のオーディションの末に彼の繊細さと感受性、そして目にやどる感情の揺れを見抜き抜擢した。

⭐️監督さん前作は『さざなみ』、チャーリー・プラマーは『ゲティ家の身代金』で誘拐された孫を演じている。
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2019年03月27日

Netflix 『邪悪な天才: ピザ配達人爆死事件の真相』

Netflixの『邪悪な天才: ピザ配達人爆死事件の真相』を全編4シリーズ見た。実際にあった事件をドキュメンタリーで描いている。トイレにたった以外はかじりつくように全部見たが、もう将来はDVD屋さんは無くなるんじゃないかと思うほど面白いからちょっと心配。

映画館の大画面はミッキー的には捨てがたいけれど、多くの方々は映画館にも行かなくなるのでは……本当に映像環境が変わるということを身をもって体感している。

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🎬『邪悪な天才: ピザ配達人爆死事件の真相』トレイ・ボージリエリ、 バーバラ・シュローダー監督/アメリカ/2018/195分

2003年の夏、ペンシルベニア州エリーの町で銀行強盗が発生した。犯人の男は、首に時限爆弾を巻かれていて、「俺は被害者だ!これを外してくれ」と叫ぶが、爆弾処理班の到着を待つが、間に合わずに本当に爆発してしまう。男は死にその様子がテレビ局のカメラによって全米に生中継された。

実在する女性マージョリー・アームストロング(写真の女、これは若い時で美人だが、どんどんおかしくなるにつれて顔も異様になる。

これからご覧になる方も多いと思うのでこれ以上書かないが、Netflixの月千円以下は安すぎる❗️と思ったほどだ。

⭐️もう一つ『麻薬王』(ウ・ミンホ監督/韓国)というのも観た。韓国で2018年12月に公開された。

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1970年代、釜山の小規模の宝石密輸業者が伝説の麻薬王になった実人生を描いた作品で、出演はソン・ガンホ、チョ・ジョンソク、ペ・ドゥナ。

ペ・ドゥナさんは高級娼婦を演じている。だが前に観た『邪悪な天才〜』が強烈すぎて、熱演なさっているソン・ガンホに申し訳ないがかすんでしまった💦
posted by ミッキー at 14:41| Comment(0) | DVD Netflix | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月26日

リアルな教育現場を見る 4月6日公開『12カ月の未来図』

シネマジャーナル原稿締め切りやその合間にNetflixなどで、今日は試写をサボろうかと思ったが、来て本当に良かった。5月10日公開の日本映画『初恋 お父さん、チビがいなくなりました』という長い題で、また犬猫ものかと気が進まなかったが、猫の出方も自然で演技らしいことはさせてなかった。

それより驚いたのは最後に流れる歌がブギの女王・笠置シヅ子さんだったからだ。歌ったのは聞いたことがない♪「あなたとならば」という曲だった。最後の曲でげんなりが多々ある中で、この作品に関してはポイントがずいぶん上がった。


🎬『12カ月の未来図』オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル監督/フランス/107分/4月6日より東京・岩波ホール他にて全国順次ロードショー公開

フランスの名門アンリ4世高校で国語を教えるベテラン教師フランソワ・フーコー(ドゥニ・ポダリデス)は、父は国民的作家で知的なブルジョア一家という環境に育った。

ある日、父親の出版記念パーティーで美しい教育担当の役人の前で「低学力地域こそ優秀な教師を派遣しなげればならない」と得意になって話していたら、数日後に名門校からパリ郊外の教育優先地域にあるバルバラ中学校へ1年間限定で派遣されることになった。

内心、口は災いの元と傷心気味で赴任先の中学に行くが、いろんな国の子どもらで、名前を呼びあげるだけでも大変なことだった。読み書きの学力を調べるために書き取りテストも惨憺たる結果で初日から想像以上の問題校でフランソワはショックを受けた。


この作品を観て、ミッキーの子が中学生時代の先生の言葉を思い出した。「名古屋でも教室の椅子におとなしく座っているだけで、5段階評価の3は取れる中学あるよ」と内申書の評価の話題の時に教えてくれたのだ。それだけ荒れている中学が存在するという話だが地域によって随分の差があるのは否めない。

フランスでもそうなんだと改めて思った。しかしフランソワ先生は反抗する生徒、優秀なおぼっちゃん育ちの中年教師を冷ややかな目で見る教師連中と戦う中で、一歩一歩生徒のやる気を引き出して行く様子は、見慣れたシーンがある中にも新鮮に映った。

フランソワ先生をやったドゥニ・ポダリデスさんのヒョロっとしたやせ具合、頼りなさげの風貌、目の奥にやどる慈愛が生徒たちを惹きつけて行くのだ。

⭐️オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル監督さんはこの作品がデビュー作で、中学校に2年間通い500名の生徒と40名の教師と共に学校生活を送って完成させた。







posted by ミッキー at 15:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする