2019年02月10日

トーキョーノーザンライツ(1)『アマチュアズ』『イート・スリープ・ダイ』

🎬『アマチュアズ』ガブリエラ・ピッシュレル監督/スウェーデン/102分/日本初上映

すっかり過疎化してしまったスウェーデン西部の小さな町。町の議会は経済活性化のためにドイツ資本の大型安売りスーパーの誘致接渉でいい感触を得て、それに向けて、この町のPR動画を制作しようと地元の住民や高校生に動画を依頼する。

そんな中で大親友の女の子ダナとアイダは、スマホ片手に町の様子を撮り始めた。しかし、撮った動画は町の議会のメンバーに出来が悪いと言われてしまう。議会はドキュメンタリー作家を雇い本格的に動画を撮ることにしたが……。

オープニング作品に相応しい作品。瑞々しい中に現実がユーモアを持って描かれていた。

監督さんは背がスラリとした美しい方で、出演している方々は全員シロウトさん。「今のスウェーデンを知っていただきたい、そのために、言語はスウェーデン語、英語、アラビア語、タミル語、クルド語、ボスニア語、ドイツ語となっている。これこそ、国の現実です」と、満員の会場の様子に感動した面持ちで語ってくれた。

⭐️2018年 ヨーテボリ映画祭最優秀ノルディック映画賞

これは後2回上映があるので関東近隣の方は渋谷にお運びいただきたい。


🎬『イート・スリープ・ダイ』ガブリエラ・ピッシュレル監督/スウェーデン/2012年/日本初上映

年齢とともに体の不調を訴える父親の世話をしながら、食品工場で働くラーシャ(ネルミナ・ルカシュ)は、頑張って人より手早い仕事ぶりだったが、解雇対象に選ばれてしまう。

父親はまだはっきり解雇と決まったわけじゃないのに、こうしてはいられないと数人の男たちとノルウエーに出稼に行った。

その後すぐに解雇通告を受けたラーシャは、一人ぼっちの生活の中、仕事探しの日々が始まった。


オープニング作品のガブリエラ・ピッシュレル監督さんの初監督映画。2013 年のスウェーデン・アカデミー( グルドバッゲ) 賞で作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(ネルミナ・ルカシュ)を受賞している力作。

2012年の作だがその後7年の今が鮮明に映し出されていた。演出も撮影(ハン・ルンドボルグさん来日)もストーリー展開も満足した。

主演の若い女性ネルミナ・ルカシュさんの個性的なお顔立ちがいろんな苦境の中で落ち込んだり、悔しいと思い絶対涙を見せまいと我慢する表情に感服した。

これも後2回上映があるのでご覧いただきたい。

⭐️最初の2本が素晴らしいので雪空の寒さなんか全然感じなかった。
posted by ミッキー at 05:38| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月09日

『眠る村』ポレポレ東中野にて

今、東中野娘アパートを出た。ブルッと身震いした。雪空で今にもちらちらしそうだ。行きつけのグラッチェの店であったかい具だくさんのスープとトーストと☕️でモーニングしている。

そういえば3、4年前くらいのノーザンライツ北欧映画祭にも大雪だったことがある。今日はその映画祭の初日。ネットで10作品購入した。もう1作品、余力があったら当日券で観たいと思っているが大雪になったら諦める……つもり。


🎬『眠る村』斎藤潤一、鎌田麗香監督/96分/ポレポレ東中野にて

三重と奈良にまたがる集落・葛尾。57年前、この村の懇親会で女性5人が毒入りのぶどう酒を飲んで死亡する事件が発生。事件から6日後、当時35歳の奥西勝が犯行を認め「妻と愛人との三角関係を清算するためだった」と自白した。

初公判では、p奥西は「自白は強要された」と訴え、一審は無罪。しかし二審では死刑判決、そして、最高裁は上告を棄却。奥西は確定死刑囚となった。

死刑執行に怯える奥西は、独房から再審を求め続けたが、平成27年10月に89歳で帰らぬ人となった。

昨日、渋谷の試写室で韓国ホラー映画『コンジアム』を観た。映画に出てくる若者たちは気が狂わんばかりに怖がっていたが、ミッキーにはそれほどの怖さは伝わって来なかった。それよりかポレポレ東中野で観た『眠る村』の方がこわくて恐ろしくて……。

名張は近鉄株主優待券を安価で買って大阪に月1回は行くが途中で必ず「名張」に停まる。名を聞くとすぐにこの忌まわしい未解決事件のことを思い出す。

これに関しての映画はほとんど観ている。特に斎藤潤一監督の『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』は印象深い。奥西を仲代達矢、奥西の母を亡き樹木希林さんが演じていた。

新作のドキュメンタリーではナレーションを仲代達矢さんがやっている。村人の声も入っているが、何か奥歯にものがはさまった言い方で、すっきりしなかった。村人の本音をもっと赤裸々に聞いてみたいが、それは無理というものだろう。

村人は風化するのを望んでいるだろうが、少なくとも風化には後100年(ことがはっきりしない状態では、それ以上か)はかかるだろう。

posted by ミッキー at 08:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月08日

真実が「見えて」くる 2月22日公開『THE GUILTY/ギルティ』

🎬『THE GUILTY/ギルティ』グスタフ・モーラー監督・脚本/デンマーク/88分/2月22日より新宿武蔵野館他にて全国ロードショー公開

アスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)はある事件をきっかけに警察官としての現場を離れ、緊急通報司令室のオペレーターとして交通事故による緊急搬送を手配する係りとして勤めていた。近々、元の職に戻る予定だった。

そんな時、「今、誘拐されている」という女性から通報を受ける。車の発車音、女性のふるえる声、犯人と思える息遣いなど、聞こえる音だけを手がかりに、彼は被害者を助けようとしたが……。


これは2019年洋画部門ベストテン確実。

グスタフ・モーラー監督の長編デビュー作品。最初にこんなすごいのを作ってしまい、後にどうやってレベルダウンせずに作り続けて行けるのか老婆心ながら心配になった。

出ずっぱり、喋りっぱなしのヤコブ・セーダーグレンさんも知らないお顔。声もいいし緊張感いっぱいの表情は、ミッキー好みの渋さ。

公開されたらもう一度劇場に行って電話交信部分を「目をつむって観て」みたい。


⭐️この作品を観て 夜のハイウェイで、一人の男の86分間の出来事を車中で交わされる電話の会話だけで描くワンシチュエーション映画『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』トム・ハーディ主演を思い出した。
posted by ミッキー at 07:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする