2019年02月13日

トーキョー ノーザンライツ映画祭(4)『サマー・チルドレン』『マイ・アーント・イン・サラエボ』

🎬『サマー・チルドレン』グズルン・ラグナルスドッティル監督/アイスランド、ノルウェー/日本初上映

1960年代、母親の事情で少女エイディスは弟のカーリと郊外の施設に入れられる。夏の休暇中だけ預かりの「サマー・チルドレン」としてやって来る。その施設は広大の荒野にポツンと立っていて冷たい風がいつも吹き付ける地で、遊具も粗末なものだった。施設長は血も涙もなく口答えは許さず、そこで働く教師もほとんどが施設長の命令の元で働いている。

姉弟は明日こそお母さんが迎えにくると毎日辛い日々を送っていたが、弟が養子縁組させられそうな会話を聞いて2人で逃げることにした。


現実の辛い出来事と少女が空想する場面がバランスよく描かれているが、施設で現実を見たくないので空想するのは理解できるが、逃げ出す時に子ども2人の行動手段が空想部分になっていて、家にたどり着くという設定がどうにもふに落ちなかった。

現実の助けの元で、お母さんと再会できたという終わりでないと、観ている方は納得できないと思う。

⭐️この作品の前が『オンネリとマンネリ〜』で、同じような施設が出てくる。頭が混乱してこの二つが一つになってミッキーの妄想映画となってしまった。


🎬『マイ・アーント・イン・サラエボ』ゴラン・カペタノビッチ監督/スウェーデン、ボスニア・ヘルツェゴビナ/日本初上映

戦争難民となりスウェーデンで暮らす中年男性ズラタンは、自分のルーツを知りたがる大学生の娘アンニャのたっての願いで、嫌々ながら20数年ぶりに故郷サラエボの叔母さんのところに訪ねて行った。一方、訪ねてくると聞いて驚いた叔母さんの娘は、ズラタンに隠していることがあって……。


戦禍の爪痕が残るサラエボと新しくて近代的なビルが立ち並ぶサラエボの街が混在しているなかで、ズラタンは自分の封印した過去を少しづつ解きほぐしていくが、叔母さんは既に亡くなっていた。娘は毎月ズラタンから送金があったので母親が死んだら貰えなくなるし、サラエボには絶対来ないと思って知らせずにいた。ところがくるということで慌てて叔母さんに似た人を代役にするというお話。


でも、話に無理がある。娘は叔母さんの死体を冷凍庫に入れていたのだ。ズラタンに内緒の死でも葬式は自分たちでできるだろうに、生活環境をみても葬式ができない貧しさではない。(ひょっとして国からも年金みたいなお金があったのか??)

もちろんズラタンは偽叔母さんをすぐに見破り、問い詰めて死体が冷凍庫にあるのを知る。そして最後のシーンは葬式。

冷凍庫に半年以上入っていたのをどうやって葬儀できたか ?? 日本なら事件だがサラエボではすんなり葬式ができるのか?? と、不思議さそのままに終わった残念な作品だった。


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2019年02月12日

トーキョー ノーザンライツ映画祭(3)『オンネリとアンネリとひみつのさくせん』

『オンネリとアンネリとひみつのさくせん』サーラ・カンテル監督/フィンランド/日本初上映

1960年代に発表されたフィンランドのマリヤッタ・クレンニエミの児童文学の映画化。

去年6月公開『オンネリとアンネリのおうち』オンネリとアンネリは大の仲良し。バラの木夫人というおばあさんから2人にぴったりのお家を拾ったお金で買うことになって……。

去年11月公開『オンネリとアンネリのふゆ』クリスマスまであと数日というある日、オンネリとマンネリの家にプティッチャネンというこびとさんの家族が森の伐採で家を失い、バラの木夫人を頼りにして訪ねて来て……。

さて『オンネリとアンネリとひみつのさくせん』は、2人には家の他に山小屋もあって(いいなぁ)お池もすぐそば。その山小屋のそばに親が子どもの面倒が見られない家庭の子どもの施設があって、おっかない施設長が数人の子どもたちと暮らしている。そこから脱走した男の子が元で大騒動が起きる。もちろんオンネリとマンネリは男の子のみかたになって助けるというお話。


きっとこれも恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAあたりで公開してほしいので、書くのはここまでにする。


⭐️見どころは成長したオンネリとアンネリがおソロの洋服や小物から卒業したことだ。

⭐️それと、施設長が「身体の調子が悪い時には タマネギミルク を作らなきゃ」と何回か言ったので、トークをしてくださったルミコ・ハーモニーさんにお聞きしたら、そばにおられたフィンランド人の旦那様が「沸騰したミルクにタマネギを入れて煮るだけ、とってもまずい」と教えてくれた。風邪が流行っているからミッキーも「まずい」タマネギミルクを作ってみよう
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2019年02月11日

トーキョー ノーザンライツ(2)『マン&ベイビー』『アイ・ビロング』

🎬『マン&ベイビー』マルヤ・ピューッコ監督/フィンランド/日本初上映

無事に出産を終えた妻のピアが「私には無理、母親にはなりたくない」と退院した病院からタクシーで失踪。会社員の夫アンティは、生まれたばかりの息子と2人残され。途方に暮れるがその日から怒涛の日々の始まりになって……。


フィンランドから届いた育児奮闘コメディー。

これがいち早くネットで買えるチケットが完売となった作品。期待満々で観たが、子育て先進国フィンランドでさえ「女なら当たり前、男が育児するのは珍しい」のかと驚いた。

ご近所さんの助け、公の育児アドバイス、公園デビューで知り合ったシングルマザー、アンティの両親、離婚した元妻……等々でやっと1年過ぎた頃に、可愛い息子の口もとから「パパ」とよんだ一言で、今まで苦労が喜びに変わる……この一瞬のためにこの映画の描いてきたイクメンさんのご苦労が救われた。


🎬『アイ・ビロング』ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督/ノルウェー/118分/2013年/日本初上映

誠実に暮らしている中年女性3人。

一人は看護婦をしている。彼女は優しい夫や子に恵まれて幸せな生活を送っている。病院で看護士を目指す学生の指導を任されるが、意思の疎通が生じる。

もう一人は、自分の小説を録音してそれを販売するというあまり気が進まない仕事を引き受けた独身の女、マイクに向かって朗読を始める。

そして、経済的に苦しい未亡人。彼女に時々生活費の援助をしている娘。

これはもう一度観てみたい作品。というのは、とても満足した映画だが、この3人が映画の始まりはひょんな出来事で同じ車に乗り合わせるのだ(と思う)そして、意外なところですれ違っている場面もあって、それを探りたいからだ。明日の夜9時からまた上映があるので、この作品はここまでにしておく。

確実に言えることは「この3人はとてつもない不幸」を背負っているわけでも、不幸になってしまうわけではない。自分の周りには不幸もあるけどそうじゃない「幸せ」もある……という示唆に富んでいる作品だった。
posted by ミッキー at 07:13| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする