1960年代、母親の事情で少女エイディスは弟のカーリと郊外の施設に入れられる。夏の休暇中だけ預かりの「サマー・チルドレン」としてやって来る。その施設は広大の荒野にポツンと立っていて冷たい風がいつも吹き付ける地で、遊具も粗末なものだった。施設長は血も涙もなく口答えは許さず、そこで働く教師もほとんどが施設長の命令の元で働いている。
姉弟は明日こそお母さんが迎えにくると毎日辛い日々を送っていたが、弟が養子縁組させられそうな会話を聞いて2人で逃げることにした。
現実の辛い出来事と少女が空想する場面がバランスよく描かれているが、施設で現実を見たくないので空想するのは理解できるが、逃げ出す時に子ども2人の行動手段が空想部分になっていて、家にたどり着くという設定がどうにもふに落ちなかった。
現実の助けの元で、お母さんと再会できたという終わりでないと、観ている方は納得できないと思う。
⭐️この作品の前が『オンネリとマンネリ〜』で、同じような施設が出てくる。頭が混乱してこの二つが一つになってミッキーの妄想映画となってしまった。
🎬『マイ・アーント・イン・サラエボ』ゴラン・カペタノビッチ監督/スウェーデン、ボスニア・ヘルツェゴビナ/日本初上映
戦争難民となりスウェーデンで暮らす中年男性ズラタンは、自分のルーツを知りたがる大学生の娘アンニャのたっての願いで、嫌々ながら20数年ぶりに故郷サラエボの叔母さんのところに訪ねて行った。一方、訪ねてくると聞いて驚いた叔母さんの娘は、ズラタンに隠していることがあって……。
戦禍の爪痕が残るサラエボと新しくて近代的なビルが立ち並ぶサラエボの街が混在しているなかで、ズラタンは自分の封印した過去を少しづつ解きほぐしていくが、叔母さんは既に亡くなっていた。娘は毎月ズラタンから送金があったので母親が死んだら貰えなくなるし、サラエボには絶対来ないと思って知らせずにいた。ところがくるということで慌てて叔母さんに似た人を代役にするというお話。
でも、話に無理がある。娘は叔母さんの死体を冷凍庫に入れていたのだ。ズラタンに内緒の死でも葬式は自分たちでできるだろうに、生活環境をみても葬式ができない貧しさではない。(ひょっとして国からも年金みたいなお金があったのか??)
もちろんズラタンは偽叔母さんをすぐに見破り、問い詰めて死体が冷凍庫にあるのを知る。そして最後のシーンは葬式。
冷凍庫に半年以上入っていたのをどうやって葬儀できたか ?? 日本なら事件だがサラエボではすんなり葬式ができるのか?? と、不思議さそのままに終わった残念な作品だった。