2019年02月16日

『洗骨』名古屋センチュリーシネマにて

いつも木曜日の朝は喫茶店横のコンビニで週刊文春か週刊新潮をバラバラっと見て映画情報のいい方を買うが、今週は「東京銭湯」がついている新潮を買った。

銭湯といっても天然温泉もあって、しかも460円。練馬区の久松湯は赤茶色の天然温泉。 品川区の清水湯は黒湯と銭湯初の大深度温泉と2つもある。上京した時に映画の合間をみて行ってみたい。


🎬『洗骨』照屋年之監督/111分/名古屋センチュリーシネマにて

舞台は沖縄の離島粟国島・粟国村。新城家当主の信綱(奥田瑛二)は妻・恵美子(筒井真理子)が4年前に亡くなってからというものは生活が荒れて酒浸りの毎日を送っていた。妻の「洗骨」の日が近づいたころ親族が、独り住いとはいえゴミだらけの家に呆れ果てて、大掃除する始末だった。

彼の長男の剛(筒井道隆)は洗骨のために東京から4 年ぶりに故郷に戻ってくる。名古屋で美容院に勤めている長女・優子(水崎綾女)も帰って来たが、その姿に家族一同驚きを隠せなかった。


吉本の映画は欠かさず観ている。個性的で面白い作品が多い。これも題名の生々しさとは裏腹に「どんな苦があっても生き進んで行く」という様子が重苦しくなく丁寧に、時には軽妙さを持って描かれていた。

出てくる俳優さんもみんな「洗」ったように新鮮な一面を見せてくれた。特に長男役の筒井道隆さんが見事だった。

監督さんはガレッジセール・ゴリというお笑いの方(初めて知った)で、構想も脚本もものにしている。すごい才能の持ち主。洗骨のための水の重さや量、当主信綱のおでこの傷一つも見落としていない演出力に感服した。

⭐️2019年日本映画ベストテン入り決定
⭐️洗骨の様子は是非とも劇場でお確かめいただきたい。
posted by ミッキー at 09:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月15日

『がんになる前に知っておくこと』『誰がための日々』K's cinemaにて

🎬『がんになる前に知っておくこと』三宅流監督/108分/K's cinemaにて

日本人の2人に1人がかかるといわれている「がん」。しかし「がんと診断されたらどうすればいいか」の知識はあまり浸透していない。このドキュメンタリーは医師、医療関係者、相談できるセンターや私設の相談できる場所を丁寧に教えてくれた。


会場の新宿K's cinemaにはプロデューサーの上原拓治氏がおいでになっていた。「妻の妹をがんで亡くしたのをきっかけにこのドキュメンタリーを作りました」とお話してくださった。

いろんな医療のしくみや選択肢の多い中でどうやって病と向き合うか、どんな時にどんな相談窓口があるかを知ることができた。

がんと宣告されても、この作品を観ているのと観ていないのでは大きな差が出るな……と思った。特効薬がどう、新薬がどうなどというものではなく、セカンドオピニオンも相談できる、そんな窓口もあると知っただけでも良かった。


🎬『誰がための日々』ウォン・ジョン監督/香港/102分/K's cinemaにて

寝たきりの母親を介護していたトン(ショーン・ユー)は、婚約者からも「あなた一人では無理、施設に入れたらどう?」と言われたが、1人で頑張った。父ホイ(エリック・ツァン)は毎月お金は送ってくるが家のは寄り付かないし、弟はアメリカに行ったきりで帰ってこない。

そんなある日、介護中の事故で母親を死なせてしまって……。


辛い現実が突きつけられた。香港じゃなくても日本でも起きていそうな話だ。ショーン・ユーやエリック・ツァンの生活に疲れきった姿や表情を、時として切なすぎて正視できなかった。

トンのやったことは無罪となったが精神病院に入っていて「薬は絶対にのむこと」を条件に父親のボロアパートに住むことになった。そこは一部屋で二段ベッド、台所、棚、テーブル、テレビ、冷蔵庫があるだけ。

トンは躁鬱病に罹っていて躁の時は「起業するんだ」と材料を買い込んできたり、鬱の時は一日中寝込んでいる。父親は躁鬱病の親の会に入ってどうしたらいいか思案している。

トンの元の彼女は宗教の集まりに誘う……。

ほったらかしにしていた父親が一生懸命、息子をかばう姿に涙が流れた。香港の街もたくさん出てきたようだが、そこまで気持ちの余裕がなくて一間だけの部屋から向け出られないような気分になった。
posted by ミッキー at 16:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月14日

トーキョーノーザンライツ映画祭(5)『アントレプレナー』

🎬『アントレプレナー』ヴィルピ・スータリ監督/フィンランド/77分/日本初上映

家族で田舎町を移動して遊園地を開く一方で、肉を移動販売することを始めたヤニ。

植物由来のたんぱく質の開発で食生活と環境に改革をしようとヘルシンキで企業を立ち上げる女性・マイヤとレッタ。

2組の起業の仕方や生活の相違をあぶり出しているドキュメンタリー。


ヤニの一家は母親と長男と10歳くらいの娘がいる。兄は高校生ぐらいだが父親の手助けをいていて「今度から商品の並べ方をお前に任せるから売れるように工夫してみろよ」と言い、娘にも「お前もそろそろ何か責任持つ役割を見つけないとな」と親子関係がとても自然で感心した。しかし移動のお肉屋は営業が不振で困っている状態だ。

一方、大企業とまではいかないが、マイヤとレッタは中国との取引や出資の件でよく口喧嘩をしている。「どうしていつも命令口調なの」「次にやることの指示待ちばかりで私の負担がどんどん増えていくのがわからない?」等々、会社を軌道に乗せるには多難であることがわかるだけに見ていて辛かった。

どっちが幸先がいいのかミッキーにはわからないが、題名の意味である「企(起)業家」として家族関係が好いヤニ一家が今、どんな風に暮らしているか知りたい気持ちでいっぱいだ。
posted by ミッキー at 15:45| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする