2019年01月03日

2018年アジア映画・ベストテン

昨日、中国の新作映画をほぼ本国と同時上映する「イヴェント・シネマ」に行った。

『Kill Mobile 手机狂响』というスマホのアダルトサイトに夢中な夫に怒った妻が、3組の男女を招いてパーティーをした折に、テーブルのお盆の上にみんなに聞こえるようにおくというゲーム ?をする作品だ。

中国語の下に2秒ほど英語がでて、会話が男女の言い合いが多く、早いのもあってか、理解不能と相成った。でも映画全体は辛辣コメディーで意外な人に意外な電話や動画が送られてきて驚いたり、そこにいる人同士なら双方がこの危機的状況を知っていてうまく逃れたりで最後まで楽しめそうな作品だった。細かいところがわからないので大阪アジアン映画祭くらいで上映されるといいなと強く思った。

もうひとつ、『Airpocalypse (天气预爆)』も観た。一部がアニメになっていて、最後のオチもあって老若男女問わず楽しめる作品だった。想像99パーセントだが、500年前の風神雷神の因縁が現代社会に…というストーリーで監督さんはXiao Yangで主演もしている。他には、Du Fu, Chang Yuan, Xiao Shenyang, Yue Yunpengが出ていて(と言ってもお名前が読めない)美しい女優さんが女警官になっていた。
観客がミッキー入れて3人。エンドロールの音楽がとっても良くて、1人になったし、お掃除の人も入ってこなかったので音楽に合わせて踊った 💦 異常に長いエンドロール(8分以上)だったが聴きごたえのある歌だった。


1位『エターナル』イ・ジュヨン監督/韓国
新人監督さんと聞いて本当にびっくりした。そしてイ・ビョンホンに主演と決めたことで大成功している。切ない映画だけれど、毎日普通の生活を送っている、それだけで本当はうーんと幸せなんだと実感させてくれた作品だった。
⭐️イ・ジュヨンさんに新人監督賞

2位『一級機密』ホン・ギソン監督
これは韓国で実際に起きた事件だが闇に葬られていまだに進行中の事件。大統領からして汚職まみれの時代がつい最近まであった韓国だから身を乗り出して観入った。
ホン・ギソン監督は、2009年の『イテウォン殺人事件』以来、7年ぶりに新作『一級機密』の撮影を終えた時にお亡くなりになった。これが遺作となった。

3位『軍中楽園』ニウ・チェンザー監督/台湾
中国と台湾の間に緊張が続いていた1969年。台湾の青年ルオ(イーサン・ルアン)は軍中楽園と呼ばれる特約茶屋(娼館)を管理する831部隊に回されてしまう。少年ぽさを少し残したイーサン・ルアンが眩しかった。
⭐️イーサン・ルアンさんに主演男優賞

★『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』タウット・プーンピリヤ監督/タイ
カンニングは悪いことに決まっているが、学校内でやっている分には目をつむるとして、国内の大学を決める試験や留学生資格試験の世界規模まで広がっていく。もう、ハラハラして心臓に悪い展開だ。
⭐️タウット・プーンピリヤ監督さんに作品賞
⭐️切れ長一重まぶたのリン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)さんに主演女優賞

★『ダンガル きっと、つよくなる』ニテーシュ・ティワーリー監督/インド
これはインドで有名なレスリング選手・姉妹とお父さんのお話。ストーリー展開は予想通りだが、140分はあっという間だった。熱血お父さんはインドの宝ともいえる大スター・アーミル・カーン。この映画では若い頃から50代まで演じる。体重も70キロ〜90キロ〜70キロと変化するが、監督さんは70キロが前後にあるので70キロを一度に撮ってしまおうと提案したが、カーンさんは時間軸どおりに増減したいと希望して撮影に臨んだ。姉のギータは2008年に日本の吉田沙保里、伊調馨選手と試合をしているし、ギータとバビータは国際試合で29個のメダルを獲得している。

★『殺人者の記憶法』ウォン・シニョン監督/韓国
昔、殺人を犯したが捕まることもなかったビョンス(ソル・ギョング)はアルツハイマー病と宣告された。彼は愛娘と2人暮らしで小さな動物病院を経営していたが、猫に2度も薬をあげたせいで死なせたのを機に病院を閉めてしまう。そんなある日、他ごとを考えていて、若者テジュ(キム・ナムギル)の車に追突してしまう。妙に落ち着き払った雰囲気と車から滴り落ちる血で、最近起きている連続殺人鬼と直感した。
5月初旬公開『名もなき野良犬の輪舞』ではかっこいいヤクザを演じるソル・ギョングさん。目つきが鋭くてビシッとスーツを着た優男ぶりとうって変わって、この『殺人者の記憶法』では、初老の男でまだらアルツハイマーの「昔」の殺人鬼。同じ俳優さんとは思えない
双方ともに殺人を犯すようになった理由も解き明かされるが、記憶は消えても「殺す」ことを身体が覚えているという言葉に身震いした。
⭐️キム・ナムギルさんに助演男優賞
⭐️ファン・ジョユンさんに脚本賞

★『ガンジスに還る』シュバシシュ・ブティアニ監督/インド
ある日、初老の男ダヤ(ラリット・ベヘル)は不思議な夢を見て、自分の死期を悟った。彼はガンジス河沿いにあるヒンドゥー教の聖地「バラナシ」に行くと家族に言う。 妻や息子は反対するが聞く耳もたないダヤ。仕事が忙しく責任ある地位の息子ラジーヴ(アディル・フセイン)はしぶしぶ同行する。行き先はバラナシにある安らかに死を待ちながら暮らす「解脱」の家だった。生と死がこれほど混沌とした場所で、ゆるやかに死をむかえるのに最高の地だと思った。

★『犯罪都市』カン・ユンソン監督/韓国
主演の刑事マ・ドンソクさんは、見た感じ「ワル顔」で乱暴だが、ちょっとしたしぐさやセリフに情が出ていた。韓国俳優陣の濃厚な魅力が満載の作品だった。同じ時期に役所広司の『孤狼の血』で悪刑事を観たが、マ・ドンソクの方に軍配。

★『パッドマン 5億人の女性を救った男』R.バールキ監督/インド
不衛生な処置で病気になる女性が多いと聞いて、妻に清潔で安全な物をと、安くて清潔なナプキンを作ることを思いつき、一生懸命追求していくが……。
まずこれが2001年という、つい17年前のことでびっくり。生理の時は5日間小さな部屋に入って夫とは別の生活をするのだ。食事の用意も出来ないようだった。映画の最後でちらっとご本人が登場されるがちょっと太めの真面目そうな中年男性だった。
ラクシュミさんのモデルとなったのは、南インド出身のアルナーチャラム・ムルガナンダム氏。その活動は高く評価され、2014年の「Time Magazine」が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選ばれて、2016年にはインド政府から褒章パドマシュリを授与された。

★『1987、ある闘いの真実』チャン・ジュナン監督/韓国
1987年1月14日。全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。軍事政権の圧政にあえぐ国民が民主化を求めて国政に反発していた。そんな時、学生運動のリーダーの友人のソウル大学生パク・ジョンチョル(ヨ・ジング)が南営洞警察のパク所長(キム・ユンソク)の命令で取り調べ中に死亡する。隠ぺいのために警察は親にも遺体を見せず火葬を申請するが、何かおかしいと感じたチェ検事(ハ・ジョンウ)は検死解剖を命じる。解剖により打撲、感電、水責めの拷問致死であったことが判明する。
『タクシー運転手 約束は海を越えて』で光州事件の7年後の話だが、その7年間に政治の中枢や警察内部ではどんなことが行われて来たか想像できた。これは辛いシーンもあるが「観るべき」映画だと思う。ユ・ヘジン、パク・ヒスン、イ・ヒジュン、キム・テリ、ソル・ギョングら主役級の俳優さんがこの映画に賛同して出演。
posted by ミッキー at 05:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする