2018年11月21日

フィルメックス映画祭2018(3)『幻土(げんど)』

いま読んでいる本は清水潔著「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」であともう少しで読み終える。

これは1人の週刊誌記者や雑誌記者をしながら縁にふれた清水氏が、冤罪を証明された「足利事件」は終着点ではなくスタートラインだという本で、2013年に発刊している。これは本屋さんをぶらぶらしていて偶然見つけたもので古本ではない。


凶悪な「連続幼女誘拐殺人事件」の真犯人は別にいる。そして警察は、真犯人を知っていながら逮捕せず野放しにしている……、ああ、気が焦って次に読み進めたいが頁をめくるたびにドキドキするので困っている。


🎬『幻土(げんど)』ヨー・シュウホァ監督/シンガポール、フランス他/95分/日本初上映


シンガポールの刑事ロクは埋め立て地の建設現場で働く中国人移民労働者ワン失踪事件を担当することになった。ワンが親しくしていたというバングラデシュ人移民労働者に会い、ワンがよく出入りしていたインターネットカフェに訪ねる。

ワンは、そこで働く若い女性(ルナ・クォク)に好意を抱いていて、彼の失踪する直前の日々がうっすらとわかりかけて来て……。


ロカルノ映画祭で見事金豹賞受賞作品で撮影が日本の方(浦田秀穂)と知り、相当期待したが、分かりづらい作品だった。だから上映後のトークも参加した。

題名の『幻土』はシンガポールの4分の1は埋め立て地で他の国から砂を輸入している。前は海だった所に外国の土砂で埋め立て地てできた「幻の土」というわけだ。

近々耳にするシンガポールの繁栄とは裏腹にその繁栄を影で支える移民労働者はパスポートを会社に一時的に取り上げられて働いている。

時々、無機質な悲鳴のような声が大音響で驚かされたり、民謡調の懐かしい音楽だったりと監督さんの意図とする「夢の世界や昔を思い出す感覚を呼び起こす楽曲を選んだ」も理解できなかった。
posted by ミッキー at 09:29| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月20日

フィルメックス映画祭2018(2)『名前のない墓』

昨日、『銀座の恋人たち』の続きで『与太郎戦記』弓削太郎監督(1969年)を観た。フランキー堺が主演で、これも満員。

甲種合格して「産まれて初めて甲をもらった!」と喜ぶ与太郎は、落語の見習い中の身。師匠から「お国のためとはいえ、自分の命を粗末にするな」同門の兄弟子からは「兵隊は要領が第一」などと言われ、意気揚々と入隊するが、体格検査で大事なイチモツを見せてしまい大笑いされる……。

つらい初年兵だが落語ができるとあって上官やもっと上の位の軍人さんにもかわいがられるフランキー堺。『新・与太郎戦記』もあるそうだが、是非機会があったら観たいものだ。


🎬『名前のない墓』リティ・パン監督/カンボジア他/115分/日本初上映

全編クメール・ルージュ鎮魂のドキュメンタリー。

人かたを作り、まじないをする儀式が事細かに写し出される。その人かたを紙でできた棺に入れる。丁寧な儀式だ。だが誰の霊魂かはわからない、もちろん名前もわからない。術者はこの土地のここかしこに浮かばれない魂がたくさんいる……という。

『象は静かに座っている』からの引き続きでミッキーの身体は重くなる一方。

周りの地を少し掘れば亡骸、衣類が出てくる。そんな土地が限りなく続く。生きている人も死んだ人の魂も、同じように平和で安息の地を探しているのだろう。

⭐️当時の飢えは尋常ではない様子も老人の口から出る。今、日本人が理解できないだろう「飢え」が身に突き刺さるように感じた。


posted by ミッキー at 12:33| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月19日

フィルメックス映画祭2018(1)『象は静かに座っている』

昨日は長い、暗い、重いの映画で疲れた。12時過ぎから7時半までぐっすり寝られた。今朝は、東中野から電車で阿佐ヶ谷まで行き『銀座の恋人たち』を観た。

『銀座の恋人たち』千葉泰樹監督/1961年
銀座の一角。津川八重・民子母子の経営する季節料理「菊の家」、そのお隣には小野君江・光夫夫婦と父信吉の経営する喫茶店「ヴォランシェ」がある。民子の姉・由子の嫁ぎ先「大原洋装店」に勤める弘子と民子と君江は(団令子、原知佐子、北あけみ)親友。時々会っては近況報告をしている。

会場はほぼ満員。テンポの良い脚本と気取らない雰囲気の銀座。出てくる俳優陣の豪華さ。美しい草笛光子さん、男前の宝田明、1日5食の若いサラリーマン加山雄三、苦労人の飯田蝶子さん、黒い花びらの水原弘さん……これ、DVDになっていないようだがもったいない話だ。


🎬『象は静かに座っている』フー・ポー監督/中国 /234分/日本初上映


中国北部のとある地方都市に暮らす4人。

同級生を誤って死なせてしまった少年・ブー、親友の妻と浮気している現場を見られ、親友が目の前で飛び降り自殺された男・チェン、娘夫婦から老人ホームに行ってほしいと言われている初老の男ワン、学校の副主任と交際していると噂が立った女生徒・リン。それぞれの一日を描いている。


会場は満席。4時間弱で休憩なし。ベルリン映画祭フォーラム部門で上映され国際批評家連盟賞を受賞。だが監督のフー・ボーは本作を撮り終えた後に自殺。

自殺したことはチラシの短い説明書きに記してあったが、それが書いてなかったらこの長い作品を最後まで観る気はしなかったと思う。この4人は「こんなところにいたくない、どこか逃げていきたい」という状況に追い込まれている。

そして4人は元々は知らない他人だったが、いろんな状況が重なって出会う。そして一緒に向かう先は内モンゴルにあるという動物園に「静かに座っているだけの象がいる」と信じてバスに乗っていく……。

ミッキーにとって、わかったような、わからんような映画だった。初老のチェンが「どこに行っても同じだよ、それが長年生きてきてわかったことだ」という言葉だけ含蓄があった。

posted by ミッキー at 14:38| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする