2018年10月28日

第31回東京国際映画祭(3)『家族のレシピ』『武術の孤児』

🎬『家族のレシピ』エリック・クー監督/日本、シンガポール、フランス/89分/ワールド・フォーカス特別上映

高崎で人気ラーメン店を営む父親の元で働いていた一人息子の真人(斉藤工)は、父親の急死で途方にくれていた。遺品の中に古い日記帳を見つけた彼は、それは真人が10歳の時に亡くなったシンガポール人の母親がつけたものだった。内容は料理のレシピ、写真、日記など両親の思い出がいっぱい詰まったものだった。

自分たち家族3人が母親の亡くなるまで住んでいたシンガポールに1人で行くことにした。道案内はシンガポール通のブロガー・美樹(松田聖子)の助けをかりて……。


聖子ちゃん目当てで観た。おしゃれな外国住まいの中年日本人女性という役柄を聖子ちゃんらしく演じていた。日本人たちが集まるスナックを経営していて、真人を案内する時は現地語でも通訳していた。

真人は10歳まで住んでいたので、父母と一緒に行った思い出のところを一人で見回ったり、母親の親戚を訪ねて行ったりして過ごすうちに、両親の苦しみを理解して行くという物語。

料理の味や作り方も教わってくるが、その点はほんのさわりだけ。でも、画面に映る料理の数々はとても美味しそうで、お腹が鳴って恥ずかしかった。


🎬『武術の孤児』ホアン・ホアン監督、脚本、編集/中国/121分/アジアの未来部門


舞台は1990年代の中国内陸部にある中国武術の専門中学校。

そこに国語の教師として赴任してきたルー・ヨンホン(ジン・ジンチェン)。校長から英語も教えてほしいと言われ驚くが「なに、単語だけでいい」などと国語や英語は武術学校にとって二の次の校風と知る。だが彼は彼のやり方で授業を進め始める。

彼は保健室の女医さんアン・ラン(リウ・ジーハン)に一目惚れするが積極的に出ることはできないでいた。悩みといえば厳しい武術の修行に馴染めない生徒ツイシャン(ホウ・ユンシャオ)のことだった。


味わい深い映画だった。主演の国語教師は痩せていて情けない表情の男で、どこから見ても武術学校に勤めてはいるのが場違いな人だ。脱走ばかりしている生徒のツイシャン、この少年の顔を一度みたら忘れない独特な面差しだった。

彼が脱走するのにはわけがあって、国語教師とツイシャンの結び付きが最後に示される…ミッキーの勘では賞も射程内のほのぼの系中国映画だ。
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2018年10月27日

第31回東京国際映画祭(2)『半世界』『月極オトコトモダチ』

昨日は3作品しっかり観て、チラ見を2作品観た。ほぼ出入り自由なので助かっている。昨日は家に着いたのが10時で靴を脱いでそのままひと寝入り💤。小1時間寝て風呂に入って12時から7時までノンストップで寝た。今日の体調は70点。

久しぶりに東京映友Nさんと六本木ヒルズのスターバックスでモーニング☕️。


🎬『半世界』阪本順治監督/120分/コンペティション部門/来春公開

紘(稲垣吾郎)は山中で親の仕事を引き継いで備長炭を焼いている。妻初乃(池脇千鶴)と反抗期の息子明(杉田雷麟)の3人暮らし。

そこに中学時代からの仲間の瑛介(長谷川博己)が自衛隊を辞めて、朽ちかけている実家にひっそりと帰って来た。だが以前の瑛介ではなかった。

もう一人の仲間の光彦(渋川清彦)も世話をやいて家の掃除など手伝うが「かまわないでくれ」とよそよそしい態度をとる瑛介だった。


『どついたるねん』『魂萌え!』『北のカナリアたち』の阪本順治監督のオリジナルストーリー。稲垣吾郎が主演ということでレッドカーペットの先頭を切って登場した話題作品。

元SMAPのお一人だから興味深いが40歳目前の「普通のおじさん」で目を疑った。長谷川博巳さんもサングラスを取るまでわからなかった。女もそうだが男も40歳は「人生一旦停止時期」だ。

妻役の池脇千鶴との夫婦演技もいっさい見劣りなし! の稲垣吾郎。ミッキーは『十三人の刺客』で冷酷無情の松平斉韶役の狂気が目に焼き付いている。


🎬『月極オトコトモダチ』穐山茉由監督/78分/日本映画スプラッシュ部門

大人になると男女の友情はなかなか難しい。Web編集者の望月那沙(徳永えり)は異性の友情をテーマにしたいと思っていたところ、あるパーティーで「僕は恋愛、友だちのスイッチをオンオフできる」という男性柳瀬草太(橋本淳)と出会う。

興味を持った那沙はWebのことは言わす小説ネタにと協力を求めると、彼は「実はパーティーに一人で行けない男のレンタル友だちとしてパーティーにきたが、1時間いくらでレンタルしてくれたらOKですよ」と言われびっくりする。

月極め15時間で5万円コースで取材することになって……。


徳永えりさんの初主演映画。ミッキーは『はさみ hasami』の美容科学生演じた田舎娘風の彼女が印象に残っている。今作では田舎娘は卒業して、Web編集者として頑張っている仕事人間だ。

この異性間の友情のWeb記事は反応が良くて連続物になる。2人の仲は友だちとして契約どおり順調で、終われば時間分だけスタンプ押して「では、また電話ください」で終わってしまう。

何回も重ねるうち……まあ、これは公開されると思うのでここまでだ。

⭐️題名だけで目を引く作品で試写室は8割がた埋まっていた。

posted by ミッキー at 08:47| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月26日

第31回東京国際映画祭(1)『愛がなんだ』『彼が愛したケーキ職人』

今日から実質的に東京国際映画祭が始まる。昨日までいろんな試写を観たり、公開映画を観たりで欲張ったせいか、ここにきて少し疲れが出てきた。予定は毎日ビッチリと4、5本たてたが、どうなることやら……。

🎬『愛がなんだ』今泉力哉監督/123分/コンペティション部門/(来春公開)

28 歳のテルコ(岸井ゆきの)は、マモル(成田凌)に一目惚れ、「マモちゃん、マモちゃん」と生活はすべてマモちゃんを中心に動いている。もう5ヶ月になる。

仕事中でも真夜中でもマモちゃんからの電話がかかってくると有頂天になって言いなり。それで上司に怒られて仕事を失いかけても、親友に軽蔑の目で見られてもテルコは幸せ。

だがマモちゃんにとってテルコはただ都合のいい女でしかなく、マモちゃんは年上の女性でだらしのない雰囲気のすみれさん(江口のりこ)を好きになって……。

原作は、直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を映画化。

ちょっとイラッとした。1人の男をずっと思い続けるのはいいとして、何もかもその男の都合のいい女になることないのに、と思って。

その男はこともあろうに、だらしない遊び人風の女に惚れてると知っていて3人で呑んだり、散々嫌みを言われて邪険にされても、呼ばれたらノコノコ会いにいく。

ミッキーはこのもうすぐ30なろうとするテルコに病名をつけた「粘着性・不変恋愛症」そのまんまだが許してほしい。この病、よっぽどのことじゃないと治らない。


🎬『彼が愛したケーキ職人』オフィル・ラウル・グレイツァ監督/イスラエル、ドイツ/109分/ ワールド・フォーカス部門

主人公は「恋人」を失ったドイツ人のトーマス(ティム・カルクオフ)と、「夫」を亡くして幼い息子を育てているイスラエル人のアナト(サラ・アドラー)。このお互い見知らぬ男女は「同じ男性」を愛していた。


静かな映画だった。最初シーンが街の全景を現していて、空には気球が浮かんでいた。トーマスはドイツで美味しいと評判のこじんまりとしたケーキ屋さん。お茶も飲めるようになっている。

女はイスラエルで喫茶店を経営しているがユダヤ教の食べ物だけで作っている公認の店で、味はほどほど。

そこに「恋人」が手伝わせてくれとふらっとやってくるところから物語が始まる。

同じ「愛する男性」を失った悲しみと喪失感を抱える2人の距離は平行線を辿ると思わせながら宗教的慣習の違いを描きつつ歩み寄っていく大人の作品に仕上がっていた。
posted by ミッキー at 19:44| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする