🎬『影の内側』ラヤ・マーティン監督/フィリピン/111分/日本初上映
顔の皮膚をはぎ取られ、心臓をえぐられ、性器を切り取られた少年が次々と山になったゴミ捨て場で発見された「バヤタス事件」と呼ばれていた。
イエズス会の修道司祭であり法医学者でもあるガス・サエンス神父(ノニ・ブェンカミーノ)は、国家捜査局から協力を依頼された。
彼は若手エリートの神父ルセロ(シド・ルセロ)にも声をかけて2人で殺された少年たちの共通点を捜査していくと……。
ミッキー好み! でも死体解剖や事件現場のシーンもかなり丁寧に撮っているのでひいてしまう人もいるはず。
原作はフィリピン初の西洋風犯罪小説でこれを読んだプロデューサーが友人である監督さんに持ちかけで映画化された。
ミッキーも「わっ、こんなシーンをじっくりと…」と思う場面が2回あったが、最後に犯人がどうしてこんなことをしたかで納得できる作品だった。
音楽はくぐもった打楽器が全般を占めていて不気味なストーリーに合っていた。
🎬『バガヘ』ジグ・ドゥライ監督/フィリピン/91分/日本初上映
海外で家政婦として2年働いてやっとフィリピンに帰って来たメルシー(アンジェリ・バヤニ)は故郷の家で家族や親戚と一緒に食事会をするために準備していた。
そこに国家捜査局の捜査官が現れて「フィリピン飛行機内でトイレのゴミ箱から産まれたての赤ちゃんが発見された」事件の第一容疑者として話をしたいとやってきたのだ。 メルシーは家族が驚く中、否定しながらも連行されて行くが……。
始まりのシーンは顔は映らないがトイレで女が苦しむ様子でそれが飛行機の中とはわからなかった。次第に「このむっつりした表情の乏しいメルシーが産んだ」とストーリーは展開していくが、ミッキーは「9ヶ月のお腹を抱えて」働いたり、帰国する気持ちがわからない。
もしも、もしも、ミッキーならこんな時に絶対帰国しないと思ったので、犯人は彼女じゃないと見続けたが、やはり彼女だった。9ヶ月になるまでいろんな選択肢があったと思うので、メルシーの行動がわからなかった。彼女はどうしたかったのか、どうするつもりだったのか聞いてみたくなった。
最終的には悪い方向に向かわない設定でフィリピンの国情もわかる作品になっていた。