2018年09月23日

「顔じゃないよ、心だよ」と言うが…9月28日公開『かごの中の瞳』

🎬『かごの中の瞳』マーク・フォースター監督・脚本/アメリカ/109分/TOHOシネマズシャンテ他にて全国ロードショー公開

保険会社に勤める夫ジェームズ(ジェイソン・クラーク)と、彼の赴任先タイ・バンコクで幸せな結婚生活を送るジーナ(ブレイク・ライヴリー)は、幼いころの交通事故で失明したが、ジェームズの献身的な支えで不自由なく暮らしていた。強いていえば子ができないことくらいだった。そんなある日、ジーナは医師のすすめで角膜移植をして、片目の視力を取り戻したが……。


ロウ・イエ監督の『ブラインド・マッサージ』を観た時、目が見えない同士の恋人たちがいた。そのカップルは何を基準?に愛し合うようになるのか知りたいと思った。顔じゃないのは確かで、匂いだったり、声だったりするのかなと疑問はそのままになっていた。

そして、この作品。目が見える男と幼い時から目が見えないカップルは手術が成功するまではとても愛し合っていた。

目が見えるようになった時のジーナの気持ちが手に取るようにわかった。わかったけど共感はできなかった。思っていた夫がダサい中年男だったからとがっかりしたのだが、夫は『欲望のバージニア』の長男役の方で背丈もあって渋さもある。

その夫だって目が見えるようになる妻と暮らしていくには、今までのようにだらしない格好、便利なだけで暮らして来た室内の設えを考えるべきだと思うが、ジーナの変身する様がちょっと早過ぎるのもついて行けなかった。

⭐︎元々目が見えたら、この2人は結婚したかな? と考えた。
posted by ミッキー at 09:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月22日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭(5)『十字路』『バスは夜を走る』

福岡の皆様 ありがとうございました。また来年おじゃまいたします。それまでお元気でお過ごしくださいませ。


🎬『十字路』ナム・ロン監督/マレーシア/81分/日本初上映

舞台はマレーシアのクアラルンプール郊外の路地裏。スギマン(アリオ・バユ)は工事現場で働くインドネシア移民のシングルファーザーで幼い息子と暮らしている。

スギマンの妹も兄を頼りに家政婦として出稼ぎに来ていたが「約束とは違う。仕事でこきつかわれパスポートまで雇い主に取り上げられた」と兄のところに逃げ出してきた。

インドネシアに帰ると言い張る妹にスギマンはパスポートのことや帰国できるまで隠れるアパートを見つけたり奔走する。

インドネシアに行く方法を自分の社長に相談すると「あんたは泳げるか、うまい方法があるが、それまで雇い主に見つからないよう隠れているよう」と言ってくれた。

一方、この地方を取り締まる警官のハッサン(ロスディーン・スボー)は生活費や小遣いを補うために小さな犯罪なら見逃してお金をもらっていたが、新しく組んだ相棒が正義感が強く短気な警官フセイン(ザヒリル・アジム)になったために、今までのように簡単にはいかなくなった。

マレーシアではよく聞く話らしいが、いつもお金のために「危ない橋」を毎日渡っているようなもの。

予定どおり進めばなんてことなかったところに、絶対アパートから出ていけないと兄から言われていたがお腹がすいたのか近くに買い物に出た妹(バカっと言いたい!)。兄に言われて8時間ほどしかたっていないのに、お前のために仕事しながら奔走しているのに。
少しの時間差で兄は食料を運んでいて、アパートのすぐ近所でパトカー警らをしていた例の2人の警官に尋問される。

ここで兄妹警官たち4人が争い、映画はぐちゃぐちゃ、いや、映画は面白くなるがドミノたおしのようにドドッと意外な方向に堕ちていく。

始めと終わりに出てくる男があの真面目で正義感のつよい警官とはしばらく気が付かないほど悪相になっていた。


🎬『バスは夜を走る』エミル・ヘラディ監督/インドネシア、マレーシア/131分/日本初上映

バスターミナルにサンパル行きの長距離夜行バスが到着する。目的地サンパルは2週間前に国軍とサンパル反乱軍の紛争が起きたばかりだった。

それでもバスは今までに何回も小競り合いがあったので楽観して、いつものように出発した。
だが、その深夜バスの旅はまるで悪夢を見ているようだった。


ミッキーはこの日奇しくも深夜長距離バスで名古屋に帰る日だったのでなんとなく映画の中と現実がリンクするんじゃないかと一瞬、ヒャッとした。

この深夜バスに乗っている人たちはジャーナリスト、美しい医学生、嫌みな成金男、若い恋人カップル、老婆と孫、偽盲人、運転手、運転手助手…、それぞれが目的を持って乗車している。

目的地に近づけば近づくほど創造を絶するバス内部。老婆と一緒にいた3歳ぐらいの可愛い女の子が映画とはいえ、こんな争いを目前にしてトラウマにならないか心配だ。

☆ミッキーの11時間半の深夜長距離バスの旅は無事に名古屋に着いた。
posted by ミッキー at 18:04| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月21日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭(4)『父への電話』『僕の帰る場所』

🎬『父への電話』セリック・アプリモフ監督/カザフスタン/104分/日本初上映

カザフスタンの僻地の村に住む6歳のエルケン(ズイガー・ミルザベック)は予測できない行動をしたり言葉が遅いために、気にした母親が病院に連れて行くと注意欠陥多動児と診断された。

地元の小学校に通うのは難しいと言われ落ち込む母親だったが、日雇いで酒飲みの父親は特別気にもしていない。

そんな中、エルケンの兄が事故で亡くなる。唯一の希望を失った母親は家を出てしまい……。


カザフスタンの平原は見渡す限り何にもないところ。そこで暮らす少年エルケンはぼんやり何を考えているのかわからない。遠くを見ているような目は「この子大丈夫か?」と何回も思った。

母親が出て行って父親と2人暮らしも淡々と過ごし、父親のいうことをよく聞いて黙々と古レンガを磨いている。父親が酔っぱらって道端で寝ていると聞けば、リヤカーをひいて向かえにいく。

そんな彼が街の学校に行きたいと言い出す……。その希望にも「お、そうかい」と父親はすぐ牛を売って、出ていった母親の姉で街に住んでいるところにエルケンを託す。

ばらばらな家族が絆を強くしていく話は数多あるが、これはバラバラになる話。だが最後の3分間ぐらいで、ジーンと心に響いてきた作品だった。


🎬『僕の帰る場所』藤元明緒監督/日本、ミャンマー/98分/(10月6日順次公開)

東京の小さなアパートに住むミャンマーからやって来た母ケイン(ケイン・ミャッ・トゥ)と幼い2人の兄弟、カウン(カウン・ミャッ・トゥ)とテッ(テッ・ミャッ・ナイン)。

入国管理局に捕まった夫アイセ(アイセ)に代わり、ケインは1人で家庭を支えていた。日本で育ちで母国語を話せない息子たちに、たどたどしい日本語で一生懸命育てているケインだが、父に会えない寂しさで兄弟喧嘩をする毎日だ。

生活に不安を抱いたケインはミャンマーに帰りたいという気持ちを持つようになるが……。

東京国際映画祭アジアの未来部門で日本人監督初のグランプリと監督賞をダブル受賞。その賞にふさわしい作品でドキュメンタリーと思って見ていたら、なんと父親アイセさんの働いている食堂の優しくてよく気がつく店主さんに津田寛治さんが出ていたので、ドキュメンタリーではないと気づいた。

母親と子ら2人は実際の親子で兄・カウン役のカウン・ミャッ・トゥの演技には驚きを通り越して「奇跡」とすら思った。

これは10月6日からポレポレ東中野を皮きりに全国順次公開する。是非是非ご覧いただきたい。
posted by ミッキー at 19:42| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする