映画のミッキー好み云々はさておいて、ちょっと腹立たしい?ことがあった。1500円の公式カタログにあらすじがほとんど最後まで書いてあったことだ。初日に買ってあらすじを読んで「途中で目の見えない少女が訪ねてくるんだなぁ」と思ってみていたら、それは最後5分ぐらいの出来事。
他もほぼそうなので他の映画祭はどうなのだろうと思い返しているところだ。以前、ある映画祭で司会者が映画内容の説明をした方がいて、げんなりした覚えがあるが、それよりひどいと思った。
🎬『Emma 彼女の見た風景』シルヴィオ・ソルディーニ監督/115分/日本初上映
広告業界人のテオ(アドリアーナ・ジャンニーニ)は恋人グレダ(アンナ・フエルツェッティ)や家族とも適度な距離をおいて仕事に没頭していた。
ある日、仕事上の会合で目の見えないエンマ(ヴァレリア・ゴリーノ)の声に惹かれて興味を持ち、彼女が営む整体マッサージを受けに行く。白い杖をつきながらも活動的な彼女に、テオは離れがたい気持ちになっていくが……。
盲目の整体師を演じるヴァレリア・ゴリーノの熱演によるところが大きい作品。エンマと親友の弱視の人も良かった。盲目と弱視の違いも丁寧に演出されていた。演出力、カメラはとても良かったが、テオの心変わりする速度についていけなかった。これがイタリア男の本質とは思いたくないが、途中、ミッキーには理解できない冷たい行動をする。
主演がヴァレリア・ゴリーノなので公開される可能性もあるので、ここまでしか書かない。
🎬『純粋な心』ロベルト・デ・パオリス監督/114分/日本初上映
信心深いクリスチャンの母親マルタ(バルボラ・ボブローヴァ)と暮らしている17歳の娘アニェーゼ(セレーネ・カラマッツァ)は自分も信者だが、母親の厳格な性格についていけないところもあった。
そんな彼女がスーパーで万引きして見つかり追いかけて来た警備員の若者ステファノ(シモーネ・リベラーティ)に涙目で見逃してと何回も頼んで許してもらったが、そのせいでステファノは警備員からスーパーの駐車場の管理人へと配置がえをされてしまった。
その後、2人は意外なところで再開する。
14年ほど前にこの映画祭でバルボラ・ボブローヴァ主演『見つめる女』で不可解な若い女を演じた彼女が信心深いお母さん役だ。
娘役のセレーネ・カラマッツァは眉毛もいじっていない乙女スッピン顔で頑張っていて久しぶりに衝撃を受けた。この今時には珍しい飾り気のない女優さんを見つけるのは大変だったと思う。
だけど、この少女がステファノと初体験した後、大きな嘘をつくのだ。それもとっさに……、これがミッキーには唐突に思えて、他には不満はなかったが、この一点だけ理解できなかった。
これも見応えある作品だから公開もあり得るので(公式カタログには書いてあるが…)書けるのはここまでだ。