2018年03月13日

中国映画祭「電影2018」より 『無言の激昂』『ライスフラワーの香り』

🎬『無言の激昂』シン・ユークン監督/中国未公開作品

中国北方の炭鉱の村で鉱山労働者の張保民(ソン・ヤン)の息子が行方不明になってしまった。張はある事故によって耳は聞こえるが話すことができない男。彼はわが子を捜し求めるうちに、この失踪事件が違法採掘をしている鉱山主と深く関わっていることを突き止めるが……。

素晴らしい作品だった。是非、公開してほしい。主演の男の目力、彼の家庭の状況、悪辣な鉱山主とその手下たちの行動から一瞬も目が離せなかった。

きっとこんな風に終わるのか……と想像していたものではなかった。

☆喧嘩が強い男だから生傷が絶えないが、その治り具合が非常に適切かつ自然だった。これはアカデミー賞メーキャップ部門級。

☆日本語字幕で、仏事の後に出る料理のお下がりを「お斎(おとき)」と記してあった。日本人でももうお年寄りしか使わない言葉だが、この中国映画にはぴったりの日本語字幕だった。担当者のお名前(かなこ というお名前だけおぼえているが)を書き留めた紙を紛失したのが悔やまれる。

🎬『ライスフラワーの香り』ポンフェイ監督/日本初上映/中国未公開作品

葉楠(イエー・ナン)は長年の出稼ぎから、雲南省とミャンマーの国境にある故郷に戻った。年老いた父親と13歳の娘の面倒を見るためだったが、娘の感情が読み取れないもどかしさもあって母娘の間はギクシャクしていた。

娘は学校の成績もよくなくて、行動も問題ありで、とうとう友だちの女の子とお寺の賽銭箱からお金を盗んだとして警察沙汰になる。

連れの女の子は重い病気に罹って倒れてしまう。村人たち悪霊に取り憑かれたと信じて、悪霊を退治するために山神の指示に従う。

たおやかな女性が主人公。村には両親が出稼ぎで寂しい思いを抱えている子らがたくさんいる。葉楠は背がスラリとしていて理知的な美人だから「街で人に言われない仕事をしていた」などと陰口を言われていたが、年老いた父親は常識のある人で、娘もはじめこそ、つんけんしていたがやはりお母さんが帰ってきたことが嬉しそうだった。

村の風習、習慣が丁寧に写し撮られていて、緩やかに過ぎゆく時の流れを感じさせてくれた。

☆シドニーに住む娘の会社でも中国の人は1年間手元で育てて、その後は中国の祖父母に育ててもらうようだ。娘は不思議がっていたがそういう風習が色濃く残っているのだろう。

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2018年03月12日

大阪アジアン映画祭(1)『パンツ泥棒』『ニュートン』

大阪不思議発見❗️ 今日で大阪4日目。花粉症や風邪の時期だがミッキーは名古屋と違うことを発見した。エスカレーターの右寄り左寄りなどの違いではなく「マスク人口が少ない」ことに気付いた。

おおざっぱな話ではあるが、不思議に思ってよく見ていくと大阪は10人に1.5人くらい。名古屋は10人で3人はいると思う。東京はもっと多いのだろうか。

映画祭が終わって名古屋に帰って早速調べたいと思う。

🎬『パンツ泥棒』サマラトナ・ディッサナーヤカ監督/スリランカ/90分/日本初上映

病的に女性のパンツに執着する若い男サムは隣の中年おばさんのパンツも、家政婦の女にも、兄嫁のパンツにも手当たり次第で集めている。外でも方々でトラブルが絶えない。

兄夫婦は精神科医が言うように嫁をもらえば病状が消えると思うが……。

ちょっと気持ち悪い設定だが観ているうちに使用人、お隣さん、警察、精神科医より夫婦(特に奥様)が彼には温かい愛情が必要と感じるまでをビター・コメディで描かれていた。

☆広くて場所もいいところの家が舞台。夫婦は他に家があるが、ここを有利に売るために夫婦も住む必要があって当分弟と暮らすことになった。弟にも土地権利もあって、金銭的な駆け引きも入っている。

🎬『ニュートン』アミット・マスールカル監督/インド/104分/日本初上映

選挙管理員に志願したニュートンは反政府勢力で支配されているジャングルに村の投票所に配属された。彼は村の権力者の慣習に従わず国の決めた方針どおりに職務をまっとうするが……。

これは面白い設定。インド山奥少数民族たちの文盲をいいことに都合よく利用している権力者。まあ、ここに限らずどこでも「この構図」は数多なある。ジャングルの奥深くだけじゃない。

生真面目で融通が利かない青年・ニュートン(公務員見習い)や、土地の人々の最後の勇気ある行動には目が醒める思いがした。

最後には❤️恋話もあって幸せ気分で観終わった。

posted by ミッキー at 09:39| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月11日

日中国交正常化45周年記念 『《芳华》YOUTH 』 中国映画祭「電影2018」東京/大阪/名古屋

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、2017年に日中両国の国交正常化から45周年を迎えたことを記念して公益財団法人ユニジャパン(東京国際映画祭事務局)、上海国際影視節有限公司(上海国際映画祭事務局)と共同で映画を通して友好を深めたく企画した。

代表で挨拶なさった方が「その国の映画を3本観たら大体のことが理解できると思います。是非、この映画祭の中で3本は観ていただきたいと願っています」と述べられた。ミッキーもその通りだと思うので是非ともご覧いただきたい。

🎬『《芳华》YOUTH 』フォン・シャオガン監督/大阪うめだホールにて

軍隊文工団の青年たち青春群像劇。

シドニーでは英語字幕が早く消えてしまい、ほとんどわからずじまいで観たが、1970年代の国の政策下で訓練された「文工団」の様子、そこでのプラトニックな男女の出会い、その方たちの現代の様子まで描かれていた。
オーケストラあり、歌あり、ダンスありの素晴らしいもので、厳しい練習の様子も映し出されていた。

それだけわかっただけだが、すごく感動したので日本語字幕で1日も早く観たかった。願いが叶った。

感動はシドニーの倍、最後のシーンでは涙が(この頃、涙もろい……大阪ステーションシティシネマで観た『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』でもボロ泣きした)こぼれた。

これは是非是非公開していただきたい作品。中国の民衆の辛い時代がわかるので、3本の中の1本には入れてほしい。お顔がごちゃまぜになってしまったが女優さんたちが美しく生き生きと演じていた。
posted by ミッキー at 07:24| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする