2018年02月13日

トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2018(4)『オルハイム・カンパニー』

昨日、シドニーの娘が夫婦で映画に行くとラインが来たので、感想送ってね、と頼んだらすぐに返信があった。

★オーストラリア映画はだいたい見ているが、いまだかつてanimal kingdomやpredestinationを超えるものはなく、なかなかgreatと呼べるものに出会えない。だから、期待値は低く、1/25に公開したsweet contryも旦那が観に行きたいと言うので付き合った次第。

「sweet country」
1929年のオーストリア。白人の退役軍人に殺されそうになったアボリジニのサムは、正当防衛でその白人を殺してしまう。そこからサムと妻の逃走劇が始まる…。太陽が照りつくアウトバックの中を逃げさまよい、それを追いかける警官たち。

スクリーンいっぱいのオーストラリアの大自然は美しい••••が、シドニーはただいま夏真っ盛り。この日は26度とそこまで暑くはなかったが、このアウトバックの中の逃亡シーンが無駄に長く感じ、観ているだけで喉が乾いてしまった。

良かった点は、アボリジニに対する人種差別がある中、正義や法は平等であったのは救いだったこと。それと、印象的に残ったのは、おみやげ屋でも売ってるアボリジニのブーメランで人を落馬させて殺すシーン。アボリジニは、ブーメランでカンガルーもしとめていたと同僚がおしえてくれた。星5つ満点で、星3つ、といったところ。

🎬『オルハイム・カンパニー』アーリル・アンドレーセン監督/ノルウェー/104分/2012年/日本初上映

しばらく疎遠になっていた父の死の報を受けて、婚約者を連れて故郷に戻るヤーレ。その道中で父ヨーネル(クリストッフェル・ヨーネル)との辛い過去を思い出していた。


題名の意味がわからない。父親は妻や一人息子を「自分の理想の家族にしよう」と必死で一致協力を強いる。酒を呑むとその支配が強まり、母親にひどい暴力を振るう。

酔いが覚めると後悔して謝るという繰り返しで、ようやく息子が高校生に離婚出来たが、父親と暮らすことを選んだヤーレだったが、二人暮らしはいままで以上の酒乱や言いがかりの連日で、とうとうヤーレも離れていく……

そんなことを思い出しながら、葬儀所につくが、待ち受けていた母親が「来てくれた人たちの前で挨拶するが、あまり酷いことは言わないで」と懇願するが「僕は嘘を言うつもりはない!」と断る。

だが意外にも、来る人、来る人が父親に話を聞いてもらった、お父さんには親切にしてもらった、とてもいい人だった、あなたのこと、大学に入ったと喜んでいたわ、と息子に向かって口々に言うのだ。

ミッキーも驚いた。外面がいい男だったのだろうか。一人暮らしになってかわったのかわからない。

しかし、最後で息子が挨拶する言葉で涙が溢れた。特別な言葉を使わないで皆にお礼をいうだけなのに、込み上げてくるものがあった。

『愛せない息子』同様、父親息子のギクシャクしたストーリーだが、どこの国でも起こりえる不偏的なことを、どの場面も手を抜かず描かれていたからこそ、何でもない挨拶に涙したと思う。

posted by ミッキー at 02:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2018(3)『グッド・ハート』『ストロベリー・デイズ』

今回の東京は娘がインフルエンザに罹っていたために 7日から4日間、南千住の常宿に泊まった。1泊3300円で、ここ「福千」を常宿にした理由は非常に清潔だからだ。門限11時、朝のお風呂はなしなど条件はあるが、受付の親切さ清潔さにひかれた。

昨日からは東中野の娘のところ。「お母さん、お金、使わせてしまってごめんなさい」と優しいこと言ってくれる。

🎬『グッド・ハート』ダーグル・カウリ監督/アイスランド、デンマーク、アメリカ、フランス、ドイツ/95分/2009年/日本初上映

ニューヨークでバーを経営しているジャックじいさん(ブライアン・コックス)は、入院先の病院で偶然隣のベッドになった自殺未遂したホームレスの若者ルーカス(ポール・ダノ〕と知り合い、自分の店で働いてもらうことにした。

孤独だったルーカスはじいさんの店の屋根裏に住まわせてもらい、真面目に働き、少しずつ明るくなって来た。

そんなある日、失職(キャビンアテンダント)したばかりの美しい女性が現れて……。

ダーグル・カウリ監督作品『氷の国のノイ』『ダーク・ホース』『好きにならずにいられない』は観ていたが『グッド・ハート』は未公開作品で、この映画祭で初上映されると知ってとても嬉しかった。

いままでの3作品はアイスランドが中心だが、今作は舞台がニューヨーク(摩天楼のニューヨークではなくてブルックリンの下町という雰囲気)というのも気になっていた。

それにハリウッドスターのポール・ダノ(『スイス・アーミー・マン』)、ブライアン・コックス(『ジェーン・ドウの解剖』でアメリカ・バージニア州の田舎町に住む経験豊かな検死官)いう面々だから、ひょっとしたら公開も想定内だ。

しかし、前3作品と比べるとミッキーの好みからちょっと外れた。世界の大都会ニューヨークの「毒」のようなものが、監督独自のカラーとは違うのではないかと感じた。


🎬『ストロベリー・デイズ』ヴィクトル・エーリクソン監督/スウェーデン、ポーランド/93分/日本初上映

収穫期を向かえたスウェーデンのいちご農園に、ポーランドから両親と共に出稼ぎにやって来た15 歳のヴォイテク。そこでは彼ら労働者は差別され、不当な賃金の元で雇われていた。

しばらくして、ヴォイテクといちご農園経営者の娘アンネリは愛し合うようになるが……。

日本にも収穫の時期に沖縄に行ったり、青森に行ったりして人生を満喫している方がいるが、このいちご農園は甘いいちごとは裏腹に厳しい現状が映し出されていた。

エーリクソン監督は、きっと真正面からこの実態の厳しさをティーン世代の恋愛を絡めて描きたかったのだと思う。

いろんな国々における差別以上に、人間とも思っていない扱いをする人、受ける人の両方が「あなたたちのすぐそばにいて、起こっている」とでもいうように、真夏の太陽に照らされてメラメラと燃え上がる、怒り、悲しみ、そして身分違いの恋を描いていた。

あまり知られていない俳優さんばかりで、内容に「遊び」がないので面白みに欠けるという点もあるが、監督さんの情熱はうんと伝わってきた。


posted by ミッキー at 10:36| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月11日

トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2018 (2)『がらくたヘリコプター』

🎬『がらくたヘリコプター』ヨーナス・セルベリ=アウグスセーン監督/スウェーデン、カタール/モノクロ/100分/日本初上映

修理に出していた古い柱時計は1年たったが何の連絡もない。遠くに住んでいる持ち主のお婆ちゃんは「あの時計はどうなったの?」と電話をかけてきた。

時計を修理に出した店に行くと「部品をドイツから取り寄せているからまだ修理していない」と言うので、修理を断り、1000キロメートル離れているお婆ちゃん家に出かけることにした。

お婆ちゃんの孫娘のエネサ、その兄・バキと弟・サスカの3人は車で時計を届けに行くが、いろんな出来事にぶち当たる。……。

クスッと笑えるロードムービー。

運転中にスピード違反をすると警報がなり、運転手の顔をカメラで撮られてしまうので警報がなるとすぐに「お面」をつけたり、子牛をひいてしまい車が壊れた時は牧場主から思わぬ親切を受けたり、絵画泥棒の一味と間違えられたりと散々な目にもあう。

普通「モノクロを感じさせない映像」という評があるが、この作品はモノクロをしかと感じさせていて、+、その旨みがぎゅっと詰まっている。

ひとつ、話しが終わると一回一回、画面を暗く閉じて次に進むという手順で、長い紙芝居? と言えなくもない。

そんな画面を食い入るように観たが100パーセントわかったとも言い切れないところもあったが、そこも、この作品の魅力と感じた。

これは一般上映向きの映画ではなくて、小規模の映画祭で観るのに相応しい「ほとんどの人は観ていないと思うけど……私、こんなの観たよ」と秘密のポケットに入れておきたいような北欧映画だった。

☆13日、15日にも上映するので関東地方の方は是非ともご覧いただきたい。http://tnlf.jp/movie
posted by ミッキー at 15:43| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする