★オーストラリア映画はだいたい見ているが、いまだかつてanimal kingdomやpredestinationを超えるものはなく、なかなかgreatと呼べるものに出会えない。だから、期待値は低く、1/25に公開したsweet contryも旦那が観に行きたいと言うので付き合った次第。
「sweet country」
1929年のオーストリア。白人の退役軍人に殺されそうになったアボリジニのサムは、正当防衛でその白人を殺してしまう。そこからサムと妻の逃走劇が始まる…。太陽が照りつくアウトバックの中を逃げさまよい、それを追いかける警官たち。
スクリーンいっぱいのオーストラリアの大自然は美しい••••が、シドニーはただいま夏真っ盛り。この日は26度とそこまで暑くはなかったが、このアウトバックの中の逃亡シーンが無駄に長く感じ、観ているだけで喉が乾いてしまった。
良かった点は、アボリジニに対する人種差別がある中、正義や法は平等であったのは救いだったこと。それと、印象的に残ったのは、おみやげ屋でも売ってるアボリジニのブーメランで人を落馬させて殺すシーン。アボリジニは、ブーメランでカンガルーもしとめていたと同僚がおしえてくれた。星5つ満点で、星3つ、といったところ。
🎬『オルハイム・カンパニー』アーリル・アンドレーセン監督/ノルウェー/104分/2012年/日本初上映
しばらく疎遠になっていた父の死の報を受けて、婚約者を連れて故郷に戻るヤーレ。その道中で父ヨーネル(クリストッフェル・ヨーネル)との辛い過去を思い出していた。
題名の意味がわからない。父親は妻や一人息子を「自分の理想の家族にしよう」と必死で一致協力を強いる。酒を呑むとその支配が強まり、母親にひどい暴力を振るう。
酔いが覚めると後悔して謝るという繰り返しで、ようやく息子が高校生に離婚出来たが、父親と暮らすことを選んだヤーレだったが、二人暮らしはいままで以上の酒乱や言いがかりの連日で、とうとうヤーレも離れていく……
そんなことを思い出しながら、葬儀所につくが、待ち受けていた母親が「来てくれた人たちの前で挨拶するが、あまり酷いことは言わないで」と懇願するが「僕は嘘を言うつもりはない!」と断る。
だが意外にも、来る人、来る人が父親に話を聞いてもらった、お父さんには親切にしてもらった、とてもいい人だった、あなたのこと、大学に入ったと喜んでいたわ、と息子に向かって口々に言うのだ。
ミッキーも驚いた。外面がいい男だったのだろうか。一人暮らしになってかわったのかわからない。
しかし、最後で息子が挨拶する言葉で涙が溢れた。特別な言葉を使わないで皆にお礼をいうだけなのに、込み上げてくるものがあった。
『愛せない息子』同様、父親息子のギクシャクしたストーリーだが、どこの国でも起こりえる不偏的なことを、どの場面も手を抜かず描かれていたからこそ、何でもない挨拶に涙したと思う。