2017年02月14日

トーキョー ノーザンライツ『雪が降る前に』『国王への手紙』

今年のノーザンライツも興味をひく作品揃いで、寒い中でも渋谷通いも少しも苦にならなかった。その中でも極めつけは「ヒシャーム・ザマーン監督」の二作品だった。

カチンコ『雪が降る前に』ヒシャーム・ザマーン監督/ノルウェー、ドイツ、イラク/2013年

親の決めた結婚に背いて、愛し合っていた男と駆け落ちした姉を殺すために、亡き父に代わって16歳の長男シアールがイラクからトルコの国境を越えて、ギリシャ、ドイツ、ノルウェーと探しまわるロードムービー。

いわゆる「名誉殺人」に囚われてしまった少年の物語だ。

始まりのシーンが圧巻だった。水泳用のゴーグルをかけて、幅の広いサランラップを首から上をぐるぐる巻きにして、口の部分だけ小さな穴をあけて、石油を運ぶタンクローリーに身を沈めて国境を越える。

国境の検問ではタンクローリーのフタを開けて、検査人がしばらくじっと石油の水面を凝視して人がもぐっていないか調べていた。

検問は無事通過できたのは、少年の「名誉殺人」に協力者がたくさんいるということで、姉の居所、資金は援助される。男たちが一致協力というわけだ。

だが、旅の途中で別れた父親を探す美しい少女と出会い「愛おしさ」を感じ始めると同時に、姉に対して「許し」の兆しが見えてくる。

ミッキーは黒々とした男社会に、強烈なむかっ(怒り)怒りを覚えた。
   
カチンコ『国王への手紙』ヒシャーム・ザマーン監督/ノルウェー/2014年

難民収容所の計らいでオスロに行くことになった五人の難民たちは引率者と共に乗り合いバスでオスロに向かう。

絶対にバスの発車までには戻るよう、きつく言われるが…。 

5人の一日の行動を、時には激しく、時には痛みを伴い、時にはユーモアを持って描かれていた。激情と冷静のバランスも、老若男女の配役の采配も、すべて抜かり無しの佳作。是非とも公開してほしい!
posted by ミッキー at 22:56| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする