2016年01月31日

是非、観ていただきたい 2月6日公開『不屈の男 アンブロークン』

🎬『不屈の男 アンブロークン』アンジェリーナ・ジョリー監督/アメリカ/137分/2月6日より渋谷イメージ・フォーラムで公開、その後、6月までに全国順次公開

イタリア移民の子どもだったルイ・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)は、手の付けられない不良だったが、兄のピートのすすめもあって、反抗的な力を「走り」に向けるとみるみる才能を発揮した。

次々にアメリカの記録を更新して1936年のベルリン・オリンピック5000mに出場して、一躍英雄になる。

第二次世界大戦がはじまると、ルイは空軍爆撃手になったが、飛行機が故障して海に墜落。
生き残ったのはルイと飛行機のキャプテンであるフィル(ドーナル・グリーソン)、後部砲手のマック(フィン・ウィットロック)だけだった。

47日間耐え抜いたのは、ルイとフィルの二人でマーシャル諸島に流れ着く。しかし日本海軍に捕らえられルイは東京の大森捕虜収容所に送られた。

そこで、異常な暴力をふるう渡辺伍長(miyavi)から、ルイは特に目の敵にされる。

「一日も早く観たい」と待っていた作品だ。
反日映画だと日本公開が約一年ほど遅れたが、シドニーにいる娘からは「反日的な部分もあるけど、最後まで観たらわかるように、それだけの映画ではないよ」と教えてくれた。私も試写で観て、同じ感想を持った。

最初シーンは第二次世界大戦中に太平洋で飛行機から爆撃手として仲間たちと冗談話をしながら闘っているのだ。爆弾も落としていた(と、思ったが)。

そのシーンはかなり長く、その場面でアンジェリーナ・ジョリー監督は「被害者だけではないルイ」を観ている者に提示したかったのでは?と感じた。

渡辺伍長が「なんで彼だけを特別に乱暴するか」と疑問に思ったが、伍長も自分自身の中に言うに言われぬ「何か」があったのが伺えた。

それにしてもMIYAVIさんに白羽の矢をあてた監督の眼力には頭が下がる。メーキャップの力もあるが、不気味な目、冷淡さが表れた口元など、主演のオコンネルさん以上の存在感を示していた。

ジャック・オコンネルさんはこの作品より『ベルファスト71』や『名もなき塀の中の王』が日本では先に公開されているが、『不屈な男〜』では映画が進むにつれて痩せていく姿に、この作品が彼の代表作になると確信した。

始めから「反日映画」と思わずに観ていただきたい作品。



posted by ミッキー at 09:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月30日

黒い絆はほどけない 1月30日公開『ブラック・スキャンダル』

🎥『ブラック・スキャンダル』スコット・クーパー監督/アメリカ/123分/1月30日公開

アメリカのサウスボストンで育ったジェームズ・バルジャーとその弟ビリー、そして二人の幼なじみジョン・コノリーはそれぞれ、ジェームズ(ジョニー・デップ)はギャングに、弟ビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)は政治家に、コノリー(ジョエル・エドガートン)はFBI捜査官とそれぞれの道に進んでいた。

コノリーはイタリア系マフィアの撲滅を成功させるために、彼らと抗争中のジェームズにマフィアの情報を流してほしいと持ちかける。

FBIぐるみの密約をいいことにマフィアの組織を撲滅に追い込み、犯罪組織のボスとなったジェームズ。そして、ビリーもジェームズの力をバックに政治権力を握る。

利害を一致させた彼らの関係は「アメリカ史上最悪の汚職事件」に発展していく。

今日、初日・初回に行った。そのまま居坐ってもう一度観たかったが、時をおいたほうがいいと思い、次にまわった。

それにしても贅沢な俳優使いだ。甲乙つけがたい配役で、3役とも本当にぴったりの役だ。その中でも、ジョニー・デップの「素頭」には仰天だが(チラシでは知っていたが)、顔の印象より、声がよかった。ざらつきのある声だが、ザラザラ一粒ずつが光っている声だった。

コノリーのジョエル・エドガートンは手の表情、政治家のベネディクト・カンバーバッチは身体丸ごと政治家としての説得力のある演技だった。

この映画を観ていて、もしフィリップ・シーモア・ホフマンが生きていたらどの役にあてはまるか考えていた。(最後に出てくる連邦検事かな・・・とか)

迷わずパンフレットを買ったが、アメリカの1970〜80年代の暗部の歴史が詳細に書かれていて720円は安いと思った。


posted by ミッキー at 18:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月29日

近未来「復讐法」制定。2月27日公開『復讐したい』

🎬『復讐したい』室賀厚監督/100分/2月27日東海エリア公開、全国ロードショー3月5日公開。

時は2020年。被害者やその親族が「加害者」に直接制裁を認める復讐法が成立した。

中学教師の高橋康之(水野勝)は、教師としてこの法律に反対していた。だが、妻・泉(高橋メアリージュン)を小寺という見知らぬ男に殺されてしまう。犯人への怒りがおさまらない康之は復讐法で制裁する道を選び、復讐の場所に向う。

今、ちょうど周防柳著の「虹」を読み終えたばかりだ。この本の内容も強度の差は違うが、同じ「復讐」ものだ。だからちょっと公開が先だけれどアップした。

「虹」は娘を自殺で失った母親がその死に納得できず、死に導いたであろう若い男を、探偵の力をかりて、同じ職場に入り込んだり、近くのアパートに入居して様子を窺ったりして追い詰めていくストーリー。

映画は近未来の話で「恨みをはらす」「敵討ち」がテーマ。もちろんルールはある。
@太平洋の孤島・蛇岩島に限る。
A制限時間は18時間。
B復讐者には武器、食料、GPSが与えられる。
C犯人は何も持たずに発信機を装着。
Dここでは、誰が誰を殺しても罪にならない。
E受刑者は立入禁止区域に入ると地雷が爆発する。
F時間内に復讐ができなければ、犯人は無罪となる。 という具合だ。

中学教師を演じる水野勝さんは愛知県の出身で生徒に教える立場と復讐したい気持ちの間で揺れていたが、いざ、復讐と決めてからの顔つきは、緊張で目がカッと開きっぱなしで、それがかえって痛々しく感じた。

去年、ジェームズ・デモナコ監督の『パージ』『パージ:アナーキー』も一年に一回、時間限定の何やってもOKという映画もあったが、日本の近未来の復讐法もご覧いただきたい。
posted by ミッキー at 21:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする