2016年12月07日

若き日のアラン・ドロンがクリスマスプレゼント?!12月24日公開 『若者のすべて デジタル完全修復版』

カチンコ『若者のすべて デジタル完全修復版』ルキーノ・ヴィスコンティ監督/イタリア/179分/12月24日より新宿武蔵野館にて全国順次「3作品連続」ロードショー公開

1955年のある日、ロッコ(アラン・ドロン)は兄弟と母親ロザリア(カティーナ・パクシー)と共にミラノ駅に着いた。父親を失った一家は故郷ルカニアからミラノで働いている長男ヴィンチェンツォ(スピロス・フォーカス)を頼って来たのだ。駅頭で待てども長男の出迎えはない。

最寄の住所に訪ねていくと長男ヴィンチェンツォの婚約者ジネッタ(クラウディア・カルディナーレ)の家で賑やかに婚約パーティをしていた。「父親の葬式も来ないで、喪中なのにこんな賑やかに」と母親は明るい雰囲気をぶち壊して出て行ってしまう。

一家は翌日から家と職探しに明け暮れる・・・。

この作品は1960年に作られた。57年前の作品だが、公開日の12月24日に自分への「クリスマスプレゼント」としてもう一度観ようと決めた。

世話焼きお母さんのロザリア(カティーナ・パクシー)には5人の男の子がいる。いっぱしの男もいるがお母さんにとってはみんな男の子だ。「寒いからこれを着なさい」「熱いうちに食べな」などまるで子ども扱いだ。息子たちも反抗しない。

長男ヴィンチェンツォは美しい嫁さんとの生活を第一に、次男シモーネ(レナート・サルヴァトーリ)は女で身を持ち崩し、三男ロッコ(アラン・ドロン)はクリーニング店員〜兵隊〜ボクサーに、四男チーロ(マックス・カルティエ)は夜学に通い、アルファロメオに就職、末っ子五男ルーカ(ロッコ・ヴィドラッツィ)の五兄弟。この家族に波風を吹き込む女・ナディア(アニー・ジラルド)が入る。

ストーリーはここまでにしよう。残酷なまでに人間の脆さが浮き彫りにされている作品だが「愛着」を感じさせてくれた。

☆2011年にお亡くなりになったアニー・ジラルドさんは、この作品で共演した次男シモーネ役のレナート・サルヴァトーリさんと結婚。サルヴァトーリさんがお亡くなりになるまで添い遂げられた。

原題はRocco e i suoi fratelli 「ロッコと彼の兄弟たち」だ。
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2016年12月06日

まさに「今」を表している2017年1月21日公開『揺れる大地 デジタル修復版』

カチンコ『揺れる大地 デジタル修復版』ルキーノ・ヴィスコンティ監督/イタリア/160分/1月21日より新宿武蔵野館にて全国順次「3作品連続」ロードショー公開

シチリアのアーチ・トレッツァの小さな漁村。ヴァラストロ家の長男ウントーニ(アントニオ・アルチディアコノ)は、自分たち漁師が獲った魚を仲買人の搾取で貧しい暮らしに甘んじているが我慢できないでいた。

祖父(ジョヴァンニ・グレコ)に相談するが「今までどおりでいい、無駄なことはするな」と言うばかりだった。

そんなある日、仲買人たちとの喧嘩がきっかけで、家を担保に銀行からお金を借りて独立して漁を始めることにした。運良くイワシの大漁で大喜びして一家はイワシを樽に塩漬けにする。

だが、運のいい日は長く続かず、ある夜、漁に出た一家の男と仲間たちは嵐にあう。数日後に無事に戻るが、船は壊れ、漁具などは流されて、失業者となってしまう。塩漬けにした鰯は、足元を見られて安値で仲買人に買いとられ、家も銀行に差し押えられてしまう。祖父は危篤になり入院、そして一家はあばら屋に引っ越す。

ルキーノ・ヴィスコンティ監督の長編第2作品目。全出演者が漁村の方々。

朝早くから浜辺では男の大声が響く。活気に満ちているが、働けど働けど、その日腹いっぱいに喰える賃金はもらえない。それでもそんなことは慣れっこになっている漁師たち。

反旗を翻すウントーニに助っ人はほとんどいない。ウントーニが惚れているネッダも貧しくなれば去っていく。祖父が言った「今までどおりでいい、無駄なことはするな」が堪える。

自暴自棄になったウントーニが浜辺で小さな女の子に(言葉は忘れたが)励まされる。そのひと言が彼を再び仲買人の船に乗りこんで、漁に出る決心をする。

どんなに馬鹿にされようが、壁のように前に立ちはだかる「体制」に戦いを挑んだ「誇り」を身につけて「漁師に雇ってくれ」と頭を下げる。

ウントーニの辛さが手に取るようにわかった。生きにくい「今」と重なるところが多く、若い方に是非観ていただきたい作品。

☆カメラとナレーションがとてもよかった。
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2016年12月05日

原題はOssessione(妄執)2017年1月7日公開『郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版』

ルキーノ・ヴィスコンティ生誕110年 没後40年メモリアル--イタリア・ネオレアリズモの軌跡(1)『郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版』

年代順に『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『揺れる大地』『若者のすべて』の3作品を観た。恥ずかしながら題名に覚えがあるもののミッキーは観ていない。

すべて「デジタル完全修復版」で2時間超えする大作。デジタルで修復されてはいるが画風は損なわれていないように感じた。日本公開当時にリアルタイムでご覧になった方もきっと満足できる修復版だと思う。

カチンコ『郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版』ルキーノ・ヴィスコンティ監督/イタリア/126分/2017年1月7日より新宿武蔵野館にて全国順次「3作品連続」ロードショー公開

イタリア北部のポー河沿いでガソリンスタンドとレストランを経営者する主人ブラガーナ(ジュアン・デ・ランダ)の妻ジョヴァンナ(クララ・カラマイ)は、年の違う夫との生活に飽きあきしていて退屈な日々を過ごしていた。

そこに若くてたくましい流れ者ジーノ(マッシモ・ジロッティ)がふらりとやってきた。ジーノとジョヴァンナは一目で惹かれあう。

ジーノは「金がないから何か仕事をさせてくれ」と主人ブラガーナに頼み、車の修理などをする。人手が足りなかったので重宝がられしばらく滞在した。

主人が留守中に2人は愛し合い駆け落ちの話になるが、元娼婦のジョヴァンナにとって、今の経済的に安定した生活を捨てる決心はつかなかった。


原題はOssessione。調べてみたら「妄執」という意味。妄執(もうしゅう)の意味は「妄想がこうじて、ある特定の考えに囚われてしまう事」とあった。

有名な邦題『郵便配達は二度ベルを鳴らす』も不思議な題名だ。てっきりホラーだと早合点していた。これも調べていくうちに理解できた。

原作者のジェームズ・M・ケインが郵便配達は「他の訪問者と区別するために必ず2回ベルを鳴らす」ので「人生には同じことが2度起こる」という意味を込めたらしい。と書いてあった。(わかったようなわからんような・・・)

確かに映画中に2人は一度別れるが、偶然、街の祭りのような賑やかな場所でブラガーナ夫婦に再び出会って「こんなところで大道芸の手伝いをしているならうちに来いよ」と言われて、元のガソリンスタンドとレストラン店に戻っている。

この時から2人は主人を殺そうと相談するわけだが、その不穏な雰囲気は映画の始まりから画面にあふれているように感じたし、先行き、きっとうまくいかないだろうという予感もした。愛欲の生々しさと結末の「予感」があたったので身震いがした。

☆主人ブラガーナ(ジュアン・デ・ランダ)は太っちょで少しワンマンだけど、柔らかい美声の持ち主。酒場の舞台に飛び入りして大勢の前で歌うが、確か「椿姫」だった。元娼婦の妻も聴いているのに「高級娼婦マルグリットと身分の高い若い男アルマンの恋」のアリアを歌うなんて、殺されても仕方ない・・・のかも知れない。

明日は『揺れる大地』の予定。
posted by ミッキー at 03:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする