北西に南シナ海、南東はスールー海に面していているアジア屈指のリゾート地・フィリピンのパワラン島が映画の舞台。
この島の森林の多くは手つかずの自然で、海は透明度が高く魚介類の宝庫だ。気候も温暖で世界中から観光客やダkイバーたちが押し寄せてくる。
静かで緑豊かな森に鳥のさえずりが聞こえてきて楽園そのものの情景だ。ところが森の奥からチェーンソーの音が響いてきた。 すると草陰に身を隠していた土地の男たちが、違法伐採の現場に近づき、登録されていないチェーンソーを没収。
一方、海で不審なボートを発見。魚を爆発物で一網打尽にする違法漁業を取り締まっている。
こうして島の生態系を守るのは地元の環境保護団体・パラワンNGOネットワーク(PNNI)。代表の環境弁護士ボビーは仲間たちとともに、経済発展のために見境なく島の生態系を破壊する政治家や実業家を相手に命懸けで闘い続けている。

これが初の監督作品であるジャーナリストのカール・マルクーナス氏は、この島の環境活動家が射殺された事件をきっかけに長編ドキュメンタリーを製作。
日本から遠く離れた島の自然破壊だが、決して「他人事」ではなく、危険(デリカド)は地球全体に波及していくことを教えてくれる。