2023年03月26日

3月24日公開映画『ロストケア』

🎬『ロストケア』前田哲監督、脚本/114分

ある早朝、民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。死んだ所長が勤める介護センターの介護士・斯波宗典(松山ケンイチ)が犯人として浮上するが、彼は介護家族からも慕われる心優しい青年だった。

検事の大友秀美(長澤まさみ)は、斯波が働く介護センターで老人の死亡率が異様に高いことを突き止める。取調室で斯波は多くの老人の命を奪ったことを認めるが、自分がした行為は「殺人」ではなく「救い」であると主張。大友は事件の真相に迫る中で、心を激しく揺さぶられる。


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内容がほぼ書いてある「ネタバレチラシ」をお読みいただきたい。松山ケンイチは「純情・気色悪い青年」を静かに演じていてトリハダもの。長澤まさみは「きれいごとで押しまくる」検事。監督さんは『そして、バトンは渡された」の前田哲監督、脚本。

うがった見方をすれば医療現場では医療ミス、介護不注意で死に至らしめたなどは山のほどある。こんなに一度にやらなければバレないのでは?と邪推してしまった。

これほど純心に思い込んでやってしまう原因も描かれているが、釈然としない。

★去年Netflixでドキュメンタリーとドラマで2本、同じテーマの作品があった。これは現実に起きたことで大事件になった。

Netflix『キラーナース:その狂気を追跡する』
アメリカ・ニュージャージー州にある、サマセット・メディカル・センターに、チャールズ・カレンはICUに勤務し、経験豊富な看護師として信頼を置かれる存在だった。しかし、彼はアメリカ北東部の複数の医療施設で多くの患者を殺害してきた連続殺人鬼であった。彼を内部告発した同僚の看護師や捜査にあたった刑事のインタビュー、そしてチャールズ自身の肉声を交え、彼が有罪判決を受けるまでをドキュメントしている。

Netflixと一般上映『グッドナース』ジェスカ・チャスティン、エディ・レッドメイン共演。

どちらも見応えあり。一体何人の人を死亡させたのかわからないが、大病院の隠蔽体質がなくならない限り、どこの国で起こっても不思議ではない。
posted by ミッキー at 05:49| Comment(0) | ブログ・リスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月25日

「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」(4)『オートレーサー森且行』『ダリエン・ルート ”死のジャングル”に向かう子どもたち』

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🎬『オートレーサー森且行』穂坂友紀監督

2021年1月に落車事故で大怪我を負ったオートレーサー・森のリハビリの日々に密着したドキュメンタリー。

元SMAPのメンバーだったがレーサーになった森且行。男っぽい雰囲気の方だ。もう一生車椅子か、良くても松葉杖かと医師から告げられたが、来月4月6日にレースに出るようだ。

SMAPは映画にもよく主演するにでよく知っていたが、彼らも森レーサーに力強いメッセージで応援している。


🎬『ダリエン・ルート ”死のジャングル”に向かう子どもたち』萩原豊監督/71分

コロンビアから陸路で米国を目指すハイチ難民一家を追ったドキュメンタリー。

中米コロンビアの小さな港町に、数万人のハイチ難民が押し寄せる。そこで出会った2歳と6歳の姉妹と両親、4人の姉妹の家族は、ハイチを離れてアメリカを目指す。

ハイチは政情不安や2010年の地震で住む場所を失うなどした人の多くが、ブラジルやチリなどに移り住んだが、言葉の問題(クレオール語)や人種差別でジャングルなどの危険なルートを通って米国を目指している。

たまたま2家族はアメリカに着いたが、その先に希望はあるのだろうか……。

posted by ミッキー at 12:58| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月24日

「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」(3)『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡『白鳥の湖』全幕日本初演〜』『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』

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🎬『東京SWAN 1946 〜戦後の奇跡『白鳥の湖』全幕日本初演〜』宮武由衣監督/81分

戦後の日本で「白鳥の湖」が上演されたフィルムを見た。クラシック音楽会も戦後まもなく開かれたことは聞いていたが、バレーの公演は知らなかった。今のコロナ禍と同じように戦争中にできなかったことが、終わったことで芸術の飢えを満たしたい気持ちが抑えられない状態だったはずだ。

今のバレーと比べると技術的なことでは差はあるが「求める力」は今よりずっと強いと感じた。

🎬『魂の殺人 〜家庭内・父からの性虐待〜』加古紗都子監督/71分

実の父親による性虐待を告発し、声を上げた被害者女性たちの闘いを追ったドキュメンタリー。

幼い頃、父親による性虐待を受けた渡辺多佳子さんは、50年以上苦しみ続けている。実名で性被害を告発、絶縁していた父親と対峙する場面もあって、見ているこちらも胸がドキドキした。

お母さんに相談してもまともに取り合ってくれない、家の恥だから外に漏らしたくないなどがんじがらめになりながら成長した多佳子さんの表情は「弱みを見せないぞ」と言うように固いものだった。

★性被害は、父親や祖父などの親族、職場の上司や学校の教師など、逆らえない上下関係にある人からの被害が3割。もっと多いのではと思うが出てこない事例もたくさんあるに違いないと思った。
posted by ミッキー at 14:23| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする